『nobody issue33』
- 出版社/メーカー: nobody編集部
- 発売日: 2010/03/31
- メディア: 単行本
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映画雑誌たちの風景というものを眺めた時に、昨年のリニューアルあたりから急速に存在感を示し始めたのではないかと思っている。それまでの号でも幾つも読み応えのあるテキストはあったとは言え、“映画雑誌”として、キネ旬があって秘宝があって映芸があってという風景の中に入ってきた感じがする。青山真治×樋口泰人『アバター』対談や、廣瀬純のトークイベント文字おこし、エリック・ロメールを五所純子に書かせるあたりは、『nobody』ならでは。 続きを読む
『映画秘宝 2010年5月号』
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2010/03/20
- メディア: 雑誌
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発売中の『映画秘宝 2010年5月号』の「DEVILPRESS」に「EROSS IN HELL/JAPANESE ADULT CINEMA ONLY MOVIE NOW!!」という、たぶんピンク映画、AV方面の記事が載ると思われる新コーナーができたみたいで、その第1回として、3/27(土)〜4/9(金)までポレポレ東中野でレイトショー上映される「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.7 2009年のピンク映画たち+鎮西尚一の世界」に合わせて、鎮西尚一監督のインタビューを担当させていただきました。
12年ぶりの新作『スリップ』(成人館公開題:熟女 淫らに乱れて)の一般公開を控え、今回の特集では伝説の日本シネ・ミュージカルの傑作『パンツの穴 キラキラ星みつけた!』や『ザ・ストーカー』も上映されるだけに既に方々で鎮西監督の名前を頻繁に耳にするようになりましたが、30代中盤以下にとっては、名前を黒沢清監督の著書などで聞いたことがあっても、どんな監督なのかまるで知らない(自分も昨年成人館で新作が公開されるまでそうだった)という方が多いかと思いますので、手にとって頂ければ幸いです。
それから来月の日本映画専門チャンネルでの神代辰巳監督特集に合わせて、神代監督の作品から好きな作品を5本セレクトさせていただきました。真魚八重子さんと磯田勉さんのセレクト作品と共にそれぞれの短評を書いています。ちなみに自分が選んだのは『濡れた欲情 ひらけ!チューリップ』『地獄』『赤い帽子の女』『もどり川』『棒の哀しみ』です。それから別枠で遺作の『インモラル 淫らな関係』についても書いています。
「桃まつりpresents うそ」
本日よりユーロスペースでレイトショー上映される「桃まつりpresents うそ」のパンフレットで上映作品11本の内、9本の監督にインタビューさせていただきました(他の監督は関東以外の在住だったので)。ちなみにこのパンフレットは入場者に無料配布されますが、編集を『shoelace』の監督で『映画芸術』編集部在籍の福本明日香さんが担当していることもあり、無料とは俄に信じ難いパンフレットに仕上がっています。コメント、評論を寄稿されてる方々も錚々たる顔ぶれが並んでいるので、どう考えても自分だけ浮いてますが、ほとんどの監督と初対面で短い時間で少し話しを聞くという感じだったので、無理矢理褒め称える義理もなければ、小難しいことを聞こうという気も全く無く、単純にわかりやすいことを聞いていますので、気楽に読めるものになっていると思います。
各作品に関して色々書きたいことが多いのですが、時間ないので後で追記します。
桃まつりpresents うそ
*壱のうそ 3月13日(土)−17日(水) 21:00〜
『迷い家』竹本直美
『バーブの点滅と』増田佑可
『shoelace』福本明日香
『テクニカラー』船曳真珠
*弐のうそ 3月18日(木)−21日(日) 21:00〜
『きみをよんでるよ』朝倉加葉子
『FALLING』加藤麻矢
『愚か者は誰だ』渡辺裕子
*参のうそ 3月22日(月)−26日(金) 21:00〜
『1-2-3-4』玉城陽子
『代理人会議』石毛麻梨子・大木萠
『カノジョは大丈夫』安川有果
『離さないで』福井早野香
『映画秘宝 2010年4月号』
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2010/02/20
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国内でDVDが出ていないキム・ギヨンとユ・ヒョンモク関連作が増えてしまったのは、入手していた韓国盤DVDを編集部のゴッソリ提供したら、こうなってしまったという……。『自由処女』や『肉食動物』はタイトルだけで合格、みたなノリで入れているのでどこが暴力映画やねんということにもなりかねない部分はあるかと思いますが、中々乱暴な作りの映画ではあります。
『映画芸術 NO.430』
- 出版社/メーカー: 編集プロダクション映芸
- 発売日: 2010/01/30
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総合ランキングで私個人のベスト・ワーストとWっているのは、ベストでは『愛のむきだし』『あんにょん由美香』『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』の3本、ワーストは『ハルフウェイ』『MW―ムウ―』『ディア・ドクター』の3本です。ワーストに挙げた『ウルトラミラクルラブストーリー』が総合ベストの2位になってしまいましたが。
今年は“ある理由”で選者の入れ替わりが激しく、この十数年参加されていた方やベテラン勢の多くが不参加となっている。具体的には上野昴志、宇田川幸洋、北小路隆志、田中千世子、谷岡雅樹、寺脇研、野村正昭、松田政男、渡辺武信、荒井晴彦(今年は「映画芸術」編集部として参加)といった方々だが、不参加理由については総評の中で寺脇研さんが書かれているので参照されたい。
それを読むと、確かに今年不参加の方のベストテン自体は『キネマ旬報』他で読むことができるだろうとは思うものの、ワーストテンに何を挙げ、そして他誌よりも圧倒的に多い文量を費やして書かれる選評が読めるのは映芸だけだっただけに残念な思いが残る。実際、高校生の頃から現在に至るまで映芸のベストテン号が届くと、まず荒井さんが何を選び、何を書いているかをチェックし、続いて松田政男さん、阿部嘉昭さん、渡辺武信さん、上野昴志さん……といった順に読んで行くのが習慣だっただけに今回の措置については様々な意見があるのではないかと思う。
それに、これは個人的感慨でしかないが、五十音順で掲載される関係上、松江哲明監督とモルモット吉田の間に松田政男さんが居るという無茶苦茶な並びのカオスっぷりに我ながら呆れつつも、一方でこんなことになるのは映芸だけだけだとも思っていただけに、松田さんが居ないと、どうにも落ち着かないと言うか、自分で言うのも何だがブログみたいな並びだと思ってしまう。
今号はベストテン・ワーストテン以外に〈第一回映画芸術評論賞〉の発表があり、佳作として金子遊氏(id:johnfante)の「批評の奪還――松田政男論」と馬越望氏(id:zom3)の「引き裂かれた独白者、バーバラ・ローデン論」が選出され、今号には金子氏の受賞作が掲載され、次号には馬越氏の書下ろし長編評論が掲載される予定とのこと。選考討議全過程が掲載されているが、容赦ない言葉が飛び交うので映画評論は今や何を書こうが滅多に批判されることもなくなってしまっただけに新鮮な思いで読む。応募しただけでここまで言われた方はたまったもんじゃないという気もするが。
金子氏「批評の奪還――松田政男論」は、遂に登場した自分たちの世代側から見た松田政男論ともいうべきもので、『薔薇と無名者』『白昼夢を撃て』『日付のある映画論』を愛読していたファンとしては、とても面白かった。かつて『シティロード』誌で80年代初頭に松田政男は蓮實重彦と共に「日本映画の転形期をめぐって」という題で現在に到るまでの日本映画の眺望を語り合ったのが印象的だったが、蓮實に比べて読み継がれているとは言い難い松田政男の批評をめぐって展開する本論は、蓮實は読むが松田政男は読んだことがない、興味もない、という人に松田評論を読まねばという切羽詰った気分にさせてくれる。実際、自分も最初は軽く目を通していたら、途中から慌てて本棚の奥から松田の単行本を取り出してきて読み直しながら本論を読んだ。本書を受けて金子氏の松田政男インタビューを読みたいとも思った。
映画芸術 2009 日本映画ベストテン・ワーストテン
ベストテン
1 愛のむきだし(園子温監督)
2 ウルトラミラクルラブストーリー(横浜聡子監督)
3 ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ(根岸吉太郎監督)
4 あんにょん由美香(松江哲明監督)
5 私は猫ストーカー(鈴木卓爾監督)
6 SR サイタマノラッパー(入江悠監督)
6 ドキュメンタリー頭脳警察(瀬々敬久監督)
8 大阪ハムレット(光石富士朗監督)
8 余命1ヶ月の花嫁(廣木隆一監督)
10 のんちゃんのり弁(緒方明監督)
ワーストテン
1 空気人形(是枝裕和監督)
2 蟹工船(SABU監督)
3 ROOKIES―卒業―(平川雄一朗監督)
4 しんぼる(松本人志監督)
5 MW―ムウ―(岩本仁志監督)
6 笑う警官(角川春樹監督)
7 ハルフウェイ(北川悦吏子監督)
8 さまよう刃(益子昌一監督)
9 カムイ外伝(崔 洋一監督)
10 ガマの油(役所広司監督)
10 ゼロの焦点(犬童一心監督)
10 ディア・ドクター(西川美和監督)
〈2009 日本映画ベストテン&ワーストテン〉
【選評】
相田冬二(ノベライザー) アレックス・ツァールテン(映画研究者)
井川耕一郎(映画監督・脚本家) 磯田勉(フリーライター)
伊藤雄(湯布院映画祭実行委員会) 井上淳一(脚本家)
岩本光弘(劇場番組編成) 内田眞(編集者) 大口和久(批評家・映画作家)
岡田秀則(フィルムセンター主任研究員) 岡本安正(会社員)
荻野洋一(映像演出・映画評論) 柏原寛司(映画監督・脚本家)
桂千穂(脚本家・評論家) 上島春彦(映画評論家) 川口敦子(映画評論家)
木全公彦(映画評論家・編集者) 切通理作(文化批評)
粉川哲夫(批評家・ラジオアーティスト) 国映ピンキーズ 「シネ砦」編集委員会
新宿かぼす会 高橋洋(映画監督・脚本家) 筒井清忠(映画史研究者)
富岡邦彦(PLANET+1) 中島雄人(ゴールデン街「鳥立ち」店主)
中村賢作(プログラマー) 永吉直之(名古屋シネマテーク)
長谷川法世・悦子(漫画家・博多町屋ふるさと館長/「博多だらけ」発行人)
林田義行(「PG」編集長) 福間健二(詩人・映画監督・文化研究者)
細谷隆広(アルゴ・ピクチャーズ) 前田耕作(大学院生)
松江哲明(ドキュメンタリー監督) モルモット吉田(ライター)
山下絵里(築地魚河岸の帳場さん) 渡邉大輔(映画研究者・文芸批評家)
映芸ダイアリーズ 「映画芸術」編集部
【総評】
寺脇研(映画評論家)
〈新作『人間失格』〉
インタビュー:荒戸源次郎(監督)
論考:上野昂志(映画評論家)
〈新作映画評〉
『怒る西行』/『ライブテープ』七里圭(映画監督)
『パレード』石川義正(文芸評論家)
『ランニング・オン・エンプティ』野村正昭(映画評論家)
『マイレージ、マイライフ』黒岩幹子(編集・執筆業)
『フローズン・リバー』木村有理子(映画監督)
〈特集 アジアに息づく現代映画の鼓動を聴け!〉
『春風沈酔の夜』
対談:ロウ・イエ(監督)×青山真治(映画監督)
インタビュー:仲村トオル(俳優)
論考:斎藤久志(映画監督・脚本家)、稲川方人(詩人)
『息もできない』
対談:ヤン・イクチュン(監督)×井土紀州(映画監督・脚本家)
論考:相澤虎之助(『国道20号線』脚本)
『堀川中立売』
インタビュー:柴田 剛(監督)+志摩敏樹(プロデューサー)
+田中誠一(アソシエイトプロデューサー)+松永後彦(脚本)+高倉雅昭(編集)
+石井モタコ(出演)+秦 浩司(出演)+祷キララ(出演)
論考:安川奈緒(詩人)
〈第一回映画芸術評論賞〉
選考討議全過程:赤地偉史+寺脇 研+稲川方人+荒井晴彦
第一回映画芸術評論賞 佳作受賞作「批評の奪還――松田政男論」金子遊
〈風雲(かざくも)〉
インタビュー:今泉力哉(監督)+岡部尚(監督・俳優)
+高橋悠(監督)+池口十兵衛(プロデューサー)
論考:千浦僚(映画感想家)
〈連載〉
中原昌也×千浦 僚「映画なんて観てる場合じゃねぇんだよ!」
長谷川元吉「映像(ムービー)カメラマン解体新書」
神波史男「流れモノ列伝〜ぼうふら脚本家の映画私記」
青山真治 稲川方人 荒井晴彦「DVD NEW RELEASE この7枚をピックアップした」
OUT OF SCREEN 西尾孔志(映画監督・CO2企画ディレクター)
白坂依志夫「白坂依志夫の続・人間万華鏡」
大木雄高「「LADY JANE」又は下北沢周辺から」
宮台真司「宮台真司の超映画考」
荒井晴彦×寺脇 研「韓米★映画合戦」
石井裕也「愛という名の黙契」
わたなべりんたろう 日本未公開傑作ドラマ紹介
〈書評〉
「映画館(ミニシアター)のつくり方」川村健一郎(立命館大学准教授)
「メイエルホリドな、余りにメイエルホリドな」鴻英良(演劇批評家)
「女優 岡田茉莉子」青山真治(映画監督)
「裏話ひとつ映画人生九十年」寺田めぐみ(イラストレーター)
「?改革?幻想との対決 武井昭夫状況論集2001-2009」中島一夫(文芸評論家)
「特攻隊振武寮 証言・帰還兵は地獄を見た」劉 文兵(映画研究者)
「マッケンドリックが教える映画の本当の作り方」濱口竜介(映画監督)
「地球の上でビザもなく」廣瀬純(映画批評)
2010年1月劇場鑑賞リスト
2010年1月劇場鑑賞リスト
1 | 殺しの烙印 | 鈴木清順 | ☆☆☆★★★ |
2 | 大人のオモチャ ダッチワイフレポート | 曽根中生 | ☆☆☆★ |
3 | 一万年、後…。 | 沖島勲 | ☆☆☆★★ |
4 | 怒る西行 | 沖島勲 | ☆☆☆★★ |
5 | ロボットへの道 | ||
6 | ロボット | ||
7 | ROBOT-塗装用ロボット- | ||
8 | ようこそ宇宙人 | ||
9 | 雨はやさしく | ||
10 | メカトロニクス-機会はどこまで進化するか- | ||
11 | どんと行こうぜ | 野村芳太郎 | ☆☆★★★ |
12 | 御法度 | 大島渚 | ☆☆☆★★★ |
13 | 桃まつりpresents うそ 壱のうそ | ||
14 | 桃まつりpresents うそ 弐のうそ | ||
15 | 桃まつりpresents うそ 参のうそ | ||
16 | 麻薬3号 | 古川卓巳 | ☆☆☆★★★ |
17 | ソラニン | 三木孝浩 | ☆☆☆ |
18 | 天使のはらわら 赤い教室 | 曽根中生 | ☆☆☆★ |
19 | 不連続殺人事件 | 曽根中生 | ☆☆☆ |
20 | 彼方からの手紙 | 瀬田なつき | ☆☆☆★★★ |
21 | とどまるか なくなるか | 瀬田なつき | ☆☆★★★ |
22 | 港の話 | 瀬田なつき | ☆☆ |
23 | むすめごころ | 瀬田なつき | ☆★★ |
24 | あとのまつり | 瀬田なつき | ☆☆☆☆ |
25 | 小さな冒険旅行 | 大島渚 | ☆☆★★★ |
26 | ユンボギの日記 | 大島渚 | ☆☆☆★★ |
27 | ヴィクトリア女王 世紀の愛 | ジャン=マルク・ヴァレ | ☆☆☆★ |
28 | 動くな、死ね、甦れ! | ヴィターリー・カネフスキー | 不完全鑑賞 |
29 | 渋谷 | 西谷真一 | ☆★★ |
30 | (500)日のサマー | マーク・ウェブ | ☆☆☆★★★ |
31 | 蘇りの血 | 豊田利晃 | ☆☆☆★★ |
32 | (秘)女郎市場 | 曽根中生 | ☆☆☆☆ |
33 | 新宿乱れ街 行くまで待って | 曽根中生 | ☆☆☆★★★ |
34 | ランブリングハート | 村松亮太郎 | ☆ |
35 | ミツバチのささやき | ビクトル・エリセ | ☆☆☆☆ |
36 | エル・スール | ビクトル・エリセ | ☆☆☆★★★ |
『スウィートホーム』
最寄り駅に期間限定の中古ビデオ店が出ていたので、棚を眺めるもめぼしいものはないと思っていたら、中古ビデオの定番ながら、いざ探すとなると見つかりにくい黒沢清監督の『スウィートホーム』を購入。180円。
オリジナル劇場版のソフト化やフィルム上映は何時になったら可能になるのだろう。先日『ドレミファ娘の血は騒ぐ』と『マルサの女2』の2本立ては観たが、そーゆーのだったら可能なんだと思った。伊丹プロダクションの代表が息子の代になれば可能性が見えてくるのだろうか(池内万作は塩田明彦の『カナリア』に出ていたぐらいだから理解がある気も……) 。
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 1989/09/01
- メディア: VHS
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