コメディアン・俳優 植木等死去
植木等の訃報に脱力したままだが、年度末の騒々しさでバタバタしているだけに、映画も観に行けないので気を紛らわすことができない。
■『植木等さんを悼む』 小林信彦 (3月29日 朝日新聞 朝刊)
流石に植木等を語る存在として、最も相応しいと言うか、不謹慎ながら小林信彦が生きていてくれたことを感謝するしかない一文が発表された。
ジャズ喫茶時代からの併走者で、観客として、批評家として、又作り手として(『大冒険』『クレージー大作戦』のギャグ監修、『植木等ショー』の構成など)の視点で書けるのは小林信彦だけなので、重みのある一文になっていた。
『スーダラ節』と無責任男とお呼びギャグだけのヒトという扱いの報道が多い中で、『ニッポン無責任時代』のメディアミックス的戦略でのヒットの指摘と、<くり返し書いていることだが>という前置きで書かれる<植木さんはナマの舞台がもっとも面白く、次がテレビのバラエティ(「シャボン玉ホリデー」など)、三番目が映画である。映画では、《立っているだけでおかしい》植木さんの魅力は伝わってこない。>という指摘は、リアルタイムで見ていない以上、どうしようもないことだが、映画を主軸にクレージーを評価してしまうことの危険性への警鐘として、肝に銘じておくべきことだ。
■追悼番組
既に放送済みだが、地上波の放送なので、懐かしのシネスコをスタンダードへトリミングした画質の悪い版ということもあり、録画する必要もないので終盤をチラリと眺めただけだが、ゴールデンタイムに放送していることの違和感が凄いが、ここからクレージーの映画に手を出すヒトが増えたら良いと思う。
- 4/1(日)午後7:00〜8:54 TBS系 「植木等さん追悼番組」(仮)