『探偵!ナイトスクープ 潮騒オタクの野望』

『探偵!ナイトスクープ 潮騒オタクの野望』

http://www.nicovideo.jp/watch/sm551246


 ま、色々観た映画とか諸々あるんですが、それよりも何よりも、ニコニコ動画に『探偵!ナイトスクープ 潮騒オタクの野望』がアップされてたのを見つけたので、それを見て下さい。
 自分が以前『童貞。をプロデュース2 ビューティフルドリーマー』を観た時に思わず比較したくなったというヤツで、『童貞。をプロデュース』劇場公開直前に観るのに相応しい大阪版ドリーマーであり、『童貞。をプロデュース』シリーズに組み込みたい欲求に駆られるナイトスクープ全盛期の傑作である。これ、もう15年前なんですな。

 参考用に、以前このネタを書いた時のテキストを引っ張り出してきて貼っておく。記憶違いもあるかもしれないので、実物とは若干異なる点もあるかもしれない。何せ15年前の番組を思い出しながら書いたので。

三島特集はレア作も並ぶので全て必見。「潮騒」は森谷司郎バージョンが放送されるのが凄い。所謂小野里みどりバージョンで、関西人にとっては90年代前半に放送された「探偵!ナイトスクープ」の『潮騒オタク』ネタで一躍有名になった作品。あの依頼者の、空気が数年間変わっていないような部屋の雰囲気も凄かったが、思春期に「潮騒」で初めて射精したことにより、以降「潮騒」でヌク人生を歩み、過去に映画化された「潮騒」を全て観て来たが、小野里みどりバージョンだけは観ることができない。そこでナイトスクープへ。で、散々童貞人生と「潮騒」でヌイた記憶を語らせ、東宝に頼み込んで上映してもらい、依頼者は満足している中、北野誠がケツを出して「潮騒」コスをすることで感動している依頼者を憤激させてオチ。というものだったが、恐ろしいのは「サイキック青年団」で語られた後日談で、まず部屋の雰囲気がおかしい。異様なまでの「潮騒」関連物の充実と、数十年分の雑誌「大相撲」が山のように積んである部屋。更に依頼者は立ち上がる際に机に手を着く時、掌を裏返してつけて立ち上がる。

 それは良いとして東宝での試写後、依頼者はビデオにして欲しいと懇願するが当然できないと断られたものの、依頼者は怯まずに何度も何度も頼み込み、その引かなさ加減は異常で、最終的に北野誠にいいかげんにしろと怒られ、何故ビデオがいるんや、今観たやろ?という問いに『いつでも観れるから』と答えたと言う。これ、趣深い言葉ですな。私も含めて思い当たるヒトは多い筈だ。『いつでも観れるから』という思いで、不要なビデオ、LD、DVDを抱え込んだのではないか。しかし、ここでまた恐ろしいのは、『いつでも観れるから』は=『絶対観ない』と断言できてしまうことで、『いつでも観れるから観ない』のだ。

 更に後日談を加えれば、94年頃だったかWOWOWで「潮騒」全作が放送された。勿論小野里みどりバージョンも。それを眺めながら、「潮騒」オタクは録画できて良かったなと思っていた。しかし、奴はそんなに熱狂的なのにツメが甘いのだ。程なくしてキネ旬を眺めていたら読者欄に「潮騒」オタク氏が、『私、先日のWOWOWの「潮騒」特集録画し損ねました。小野里みどりさんの「潮騒」を録画した方連絡ください』というような投稿をしており、住所名前を晒していた。発見するや爆笑し、何で録画してないのかと笑い飛ばした。朝日放送にも誰か録画してませんかと彼から連絡があったらしい。そんな森谷司郎の「潮騒」は自分も未見なのでこれを機に観たい。