『童貞。をプロデュース』1周年記念オールナイト

 明日、池袋シネマ・ロサで、「『童貞。をプロデュース』1周年記念オールナイト」が行われる。
 第一回のガンダーラ映画祭から繰り返し観てきた者としては、流石にしばらくは『童貞。をプロデュース』を観ることはないだろうと思っていた。まだ観てない人にどうぞ、と勧めるぐらいにしておこうと思っていた。が、オールナイト上映作品を知って驚く。『童貞。をプロデュース』『ガメラ3 邪神覚醒』『クローズZERO』の3本立てだという。
 珍しい作品、というわけではない。『童貞。をプロデュース』は現在のところソフト化される予定がないようなので、劇場で観るしかないが、『ガメラ3』や『クローズZERO』は、ソフト化もされているし、名画座で上映される機会も割合ある。だから、何が何でもこの機会を逃してはならない、というわけでは全くない。実際自分は全部劇場で観て、後者2本はDVDでも観ている。しかし、オールナイトでこの3本を劇場で連続で観る機会など、この場を逃すとまず今後ないだろうし、若い世代には、『ガメラ3』を劇場で観ていないという人も多いのではないか。公開初日の初回と、その後『アルマゲドン』を観た後の口直しに慌てて上映している劇場に飛び込んだ経験を持つ者として言えば、『ガメラ3』は絶対に劇場の大スクリーンで観てもらわねばならぬ。
 そして、インディペンデント映画の『童貞。をプロデュース』と、怪獣映画『ガメラ3 邪神覚醒』と、漫画原作で若手俳優が大挙出演する不良感性度抜群の『クローズZERO』が並立化できてしまうのが映画だということに改めて気付かされる筈だ。インディペンデント映画だから良い、悪い、怪獣映画だから良い、悪い、小栗旬だから、三池崇史だから、松江哲明だから、といった境界線が無効でしかなく、すべて繋がっていることに気付かされるだろう。
 こういう一見、無茶苦茶に見えるラインナップのオールナイトは絶対に忘れない。十年前、大阪の某オフシアターで、『悪魔のいけにえ』の8mm版と、山下敦弘の『腐る女』を見せられた後、朝の4時から『2001年宇宙の旅』の上映が始まった時の呆然とした経験は一生ものだった。
 「『童貞。をプロデュース』1周年記念オールナイト」は、松江哲明からの『童貞。をプロデュース』1周年記念にかこつけた、オールナイトの強制体験だ。オールナイト童貞が多ければ多いほど、この荒療治の効果は絶大なので、ぜひオールナイトで映画を観たことがない方、劇場に足を運んでほしい。
 
 ところで、自分のお勧めコースとしては、昼間は、ラピュタ阿佐ヶ谷で明日で上映が終わる『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』を観ていただきたい。
 これは、私の童貞映画ベスト1というべき素晴らしい傑作。女とやれない引きこもりの童貞男(荒木一郎)が羽田空港スウェーデンの金髪姉ちゃんを連れてきて京都の自室に軟禁するも、言葉が通じないので必死でコミュニケーションを取ろうとする涙ぐましい話。しかも、童貞男は部屋で爆弾作りに精を出していたりするのだから、映画史に残る童貞映画だと思う。監督・中島貞夫

『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』
1973年(S48)/東映京都/カラー/72分

ラピュタ阿佐ヶ谷 
8月23日(土)まで、15:00より上映

 夜は、早めにシネマ・ロサへ行って『片腕マシンガール』を観てから更にオールナイトに行くと、4本連続で観ることになるわけで、充実した映画体験が約束されるというわけです。
 

童貞。をプロデュース』1周年記念オールナイト


◎日時:8/23(土)23:00〜

◎劇場:池袋シネマ・ロサ

◎料金:¥2500(前売・当日共に)

◎上映作品
童貞。をプロデュース』(2006/監督:松江哲明
ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(1999/監督:金子修介
『クローズZERO』(2007/監督:三池祟史)

◎ゲスト:松江哲明(監督)、梅澤嘉朗(童貞2号)、前野健太(ミュージシャン)
※秘蔵映像の上映有り!

企画:ロサ映画社&SPOTTED PRODUCTIONS
提供:チップトップ、角川映画株式会社、東宝株式会社


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