映画 「グッドナイト&グッドラック」「あんにょんキムチ」「カレーライスの女たち」

molmot2006-06-01

113)「グッドナイト&グッドラック」〔Good Night, and Good Luck〕(新宿グランドオデヲン座) ☆☆☆★★

2005年 アメリカ モノクロ ビスタ 93分 
監督/ジョージ・クルーニー    脚本/ジョージ・クルーニー グラント・ヘスロヴ    出演/デヴィッド・ストラザーン ジョージ・クルーニー ロバート・ダウニー・Jr. パトリシア・クラークソン ジェフ・ダニエルズ

「セキ☆ララ」公開記念 松江哲明監督作品2本立て

 未見の友人に絶対観ておいた方が良いと薦め、ついては自分も一緒に行ってやる、と既に夫々二回観ている「あんにょんキムチ」と「カレーライスの女たち」を再々見しようとしたのは、先日「あんにょんキムチ」の単行本を読んだせいもあるが、それ以前に「あんにょんキムチ」は、構成の濃密さから一度や二度観ただけでは観た気になれず、改めてもう一度観たいという思いがあった。昨年、公開時以来の再見を果たしたので、本来数年置いてから再見しても良かったが、「赤裸々ドキュメント」や「童貞。をプロデュース」等の新作を観ると「あんにょんキムチ」を観返して確認したい部分もあった。それにソフト化されていない作品は、上映の機会を無駄にしてはならない。以前はよくあちこちで上映していたのに、と言われる作品は多いのだから。
 事前にツレのヒトが混みそうかと聞いてきたので、んなわきゃない、と。映画の日とは言え、毎年のようにどこかで上映されている作品だし、アップリンクよりキャパの広いシネマアートンなのだから、7割、8割埋まるぐらいだろうと。三回目の再見とかいう物好きな奴が居るぐらいで丁度良い動員なんだなどと、テキトーなことを言っていたら、劇場前に行ってみると、一時間前に整理券を貰ったという友人が既にフタケタだと言うので、ケッコー入ってるんだな程度に思っていたらとんでもないハナシで、満席で補助席の出る盛況ぶりだった。オフシアターだと観客層も限定されるが、今回は年齢もバラつきがあり、いくらソフト化されていないとは言え、リバイバル上映なのに随分な盛況振りで、これが「セキ☆ララ」となると、エライことになるのではないかと思う。何にしてもヒットの予感大である。
 こうなると、初見と思われるヒト達に補助席に座らせているのが申し訳ないぐらいで、もうちょいヒト少な目な日にすりゃ良かったと思ったぐらい。そーいや、妙にエロい姉ちゃんが補助席に座ってるなと思ったら平沢里菜子で、昨日はポレポレに向夏居たなと、「かえるのうた」を思い返しながら下北を歩き、軽く飲んで帰る。ツレのヒトが「カレーライスの女たち」の最初の女性、『えり』がカレーを食卓に置いて伏し目がちな表情から少し恥らうような顔で目を上げる様が、初めての相手と交わる時に見せる表情との酷似ぶりを熱心に語っていた。
 個人的に「セキ☆ララ」を観に行く方は「童貞。をプロデュース」の併映日に行くことをオススメする。 

114)「カレーライスの女たち」(シネマアートン下北沢) ☆☆☆★★★

2003年 日本 カラー スタンダード 30分 
監督/松江哲明

115)「あんにょんキムチ」(シネマアートン下北沢) ☆☆☆★★★

1999年 日本 カラー 日本映画学校 スタンダード 52分 
監督/松江哲明   

「犬神家の一族」公開時期早まり正月映画へ

 来年上半期公開予定になっていたので、完成が今秋だというのに随分先だなと思っていたが、公開が繰り上がって今年の12月中旬公開になったようだ。
http://www.toho.co.jp/lineup/inugamike/
 早く観ることができるので、誠にケッコーなハナシだし、10年前の「八つ墓村」が確か11月公開で全くパッとしなかったので、既に大作として話題を集めている本作が正月映画として公開されるのは望ましい。30年前のオリジナル版も11月先行公開で12月に拡大公開だったように思うが、個人的には「犬神家の一族」がヒットして再びシリーズ化されて、「本陣殺人事件」が市川崑で映画化されることを願っているので、正月映画になったのはヒットしてもらうためにも良かった。しかし、91歳の市川崑による東宝の正月映画という日本映画史のパースペクティブの狂う状況は痛快。