2006年 日本映画・外国映画 極私的BEST10/WORST10

 

日本映画
■BEST10
1 『犬神家の一族』 (市川崑)
2 『市川崑物語』 (岩井俊二)
3 『ストローベリーショートケイクス』 (矢崎仁司)
4 『ヨコハマメリー』 (中村高寛)
5 『ゆれる』 (西川美和)
6 『嫌われ松子の一生』 (中島哲也)
7 『時をかける少女』 (細田守)
8 『魂萌え!』 (阪本順治)
9 『バッシング』 (小林政広)
10 『紙屋悦子の青春』 (黒木和雄
■WORST10
1 『ゲド戦記』 (宮崎吾朗)
2 『男はソレを我慢できない』 (信藤三雄)
3 『ブレイブ・ストーリー』 (千明孝一)
4 『好きだ、』 (石川寛)
5 『転がれ!たま子』 (新藤風)
6 『映画監督って何だ!』 (伊藤俊也)
7 『悶絶 ほとばしる愛欲』 (榎本敏郎)
8 『小さき勇者たち ガメラ』 (田崎竜太)
9 『饗宴』 (緒方明)
10 『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』 (深作健太
外国映画
■BEST10
1 『ブロークン・フラワーズ』 (ジム・ジャームッシュ)
2 『スティーヴィー』 (スティーヴ・ジェームズ)
3 『キング・コング』 (ピーター・ジャクソン)
4 『水没の前に』 (李一凡)
5 『マンダレイ』 (ラース・フォン・トリアー)
6 『送還日記』 (キム・ドンウォン)
7 『ミュンヘン』 (スティーヴン・スピルバーグ)
8 『太陽』 (アレクサンドル・ソクーロフ)
9 『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』 (トミー・リー・ジョーンズ)
10 『グエムル 漢江の怪物』(ポン・ジュノ
■WORST10
1 『ドッグ・デイズ』 (ウルリヒ・ザイドル)
2 『PROMISE』 (チェン・カイコー)
3 『ホステル』 (イーライ・ロス)
4 『プラハ!』 (フィリプ・レンチ)
5 『シリアナ』 (スティーブン・ギャガン)
6 『ダ・ヴィンチ・コード』 (ロン・ハワード)
7 『ブロークバック・マウンテン』 (アン・リー)
8 『マイアミ・バイス』 (マイケル・マン)
9 『ココシリ』 (ルー・チュ―アン)
10 『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』 (スティーヴン・ウーリー)

 
 
 恒例のベスト・ワースト選出。個人的には記録用に12年ほど前から一応メモっているが、ブログに移行してからは3度目である。
 例によって、日本映画/外国映画、新作/旧作に分けることの無意味さは十分理解しているが、その垣根を取っ払ってしまうと、日本映画の新作が殆ど挙げられなくなってしまうので、敢えて日本映画/外国映画の新作のベストとワーストということにしている。
 ハタチ前後までは、まあ、周りも悪かったんだろうが、この手のベストテン遊びに真剣さを求めて、選考基準をキネ旬と同じにしたり、必死で年内公開作品を観たり、新作旧作、邦洋の区別をキネ旬に従っていたりしていたが、そんもんはアホらしいだけなので、よーは、記録用に自分がその1年で観た作品からベストとワーストを選べば良いだけのハナシだ。従って、新作・旧作の判断が微妙な作品も自分の気分次第で勝手に分けている。
 まあ、こんなんだから、嘗てミニコミやフリーペーパー、ネットでのベストテン遊びに参加を求められても勝手に自分の基準でそういったものを分けてしまうものだから、せっかく書いて送っても掲載されなかったり怒られたりしたことがある。んなもん、たかがフリーペーパーやネットで、素人か副業ライターが主催しているようなもんなんだから、そこに妙な厳密性を求める方が間違いで、あの遣い物にならないことで有名なキネ旬ですらも、最近は五月蝿いようだが、かつて、おすぎが日本映画で10本選びきれずに7本しか挙げなかった時や、石上三登士が『夢』を外国映画に入れた時など、キネ旬の規定とは異なるので集計からは外されていたが、掲載はちゃんとされていた。それを、素人がやってるお遊びで、どんな絶対的な基準で日本映画と外国映画、新作・旧作を分けているのか知らないが、それに反しているからと掲載すら止めてしまうアタマの硬さには呆れ果てた。大体、集計なんかする必要ないのだから。個々が何を選んだかが提示されていればそれで良い。集計したところで、毎回常識以下のセンでしか選ばれていないし、キネ旬等と同じような作品を並べて何が楽しいのか。あーいった、自由な筈のフリーペーパーやネットのベストテン遊びの保守性を目にすると、止めてしまえとしか思えない。
 
 
■日本映画
 奇を衒った作品を挙げたり、ヒトの挙げないような作品を必死で狙うというような趣味は持ち合わせておらず、純粋に質の高い作品を好きな順に並べただけだが、10本並べてみると実に常識的なセンの作品ばかりで面白味に欠けるが、完成度に満足した順となると、どうしてもこうなってしまう。
 もっとも、今年だけは、例外的な作品を1・2位に配した。本来ならば別格的扱いにしたかった『犬神家の一族』と『市川崑物語』を、どこに置いてもシックリ来なかったので、外してしまうか、首位に据えるか迷った挙句、こんな作品が2本公開される年なんて二度とやって来ないであろうから、普段なら、例え市川崑であろうとも、一般よりは高評価になりがちとは言え、無闇に賞賛はしないのだが、市川崑×石坂浩二金田一という、夢の様な出来事が起こって、自分にとっては、やはり、やたらと面白かったのでベスト1は『犬神家の一族』しかなく、それに続くのは『市川崑物語』しかない。
 昨年のベスト1が『赤塚不二夫の激情NO.1』だったり、これまでも『神様の愛い奴』や『ラブ&ポップ』や『由美香』を1位に置いたりと、妙に首位だけは、トンがった作品を据えることが割合多いと言えるかも知れないが、そういう意味では壮大な実験映画『犬神家の一族』を据えるのは当然かもしれない。
 以降が本来のベストで、そういう意味で『ストローベリーショートケイクス』が実質的ベスト1なのだが、映画史に残る傑作だった。『ヨコハマメリー』の巧みさにも感嘆した。
 ここまでは、スンナリ決まったが、以降が難しくて、ほぼ同位な作品が並んでいるので順位をつけるのに苦労したが、まあ
こんなもんか。
 ベストは、苦労して並べた10本ではなく、実際は入りきらずに困ったのが正直なところで、上記ベスト10の下には、『中学生日記』『かえるのうた』『子宮で映画を撮る女』『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ』『犯罪学会』『童貞。をプロデュース』『ヒモのひろし』『間宮兄弟』『紀子の食卓』『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』といった作品が、もう一つのベストテンを形成できるぐらいの魅力を放って控えているし、そこにも収まらなかった『三年身籠る』『闇打つ心臓』『ドラえもん のび太の恐竜2006』『蒼ざめたる馬』『朝日のあたる家』『水の花』『雪に願うこと』『ルック・オブ・ラブ』『蟻の兵隊』『ふしだらな女 真昼に濡れる』『LOFT』といった作品への愛着も捨て難い。更にその後ろには、『南の島にダイオウイカを釣りにいく』『草叢』『言い出しかねて』『複製の廃墟』『オトシモノ』『太陽の傷』『サンクチュアリ』『おじさん天国』といった、小奇麗にまとまるのではなく、歪ながらも強烈な存在感を誇示している作品が目に入ってくる。
 尚、『セキ☆ララ』は昨年ベストに挙げたので外してある。『カレーライスの女たち』も今年の公開作品になってしまうらしいが、それも違和感があるので同様に。『やわらかい生活』も昨年観たので。


 ワーストを、過大評価されている作品や、その監督にしてはもう一つな出来の場合への批判の意味合いを込めて挙げるという考え方もあるのだろうが、自分はベスト同様、単純に不出来でゴミみたいな作品を順に並べただけである。
 1〜6までは映画とは思えない(ま、『転がれ!たま子』は映画であろうとしていたようだが)。作家のマスターベーションであろうとも、つまらないなりに観る事が出来ればまだ良いが、それすらも拒絶する映画の体を成していない。
 それに比べれば、7〜10に挙げた作品は、少なくとも映画ではあった。が、様々な要因で不運な完成度となってしまった。
 本来、10本選びきれないというのが理想だが、今年も挙げたかったのに漏れた作品があり、細かく言い出せば数十本単位になってしまうが、どうしても挙げたかったのに漏れた駄作は、『ハチミツとクローバー』を筆頭に、『日本沈没』『あんにょん・サヨナラ』『るにん』『虹の女神 Rainbow Song』である。



■外国映画
 外国映画の新作は、60本しか観ていない上、『ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス』も『レディ・イン・ザ・ウォーター』も『硫黄島からの手紙』も観ないままという、何も観ていないも同然なので、ベストを挙げるのも覚束ないが、それでも10本では収まりきらず、その下に、
11 『隠された記憶』
12 『夜よ、こんにちは』
13 『西瓜』
14 『M:i:III
15 『ホテル・ルワンダ
 と入れておきたい。更にその下にも順不同で、『ロード・オブ・ウォー』『ジャーヘッド』『僕のニューヨークライフ』『フライトプラン』『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』『SPIRIT』『力道山』『ラストデイズ』『ニュー・ワールド』『ファザー、サン』『グッドナイト&グッドラック』『ポセイドン』『プルートで朝食を』『楽日』『ユナイテッド93』『スーパーマン リターンズ』『ブラック・ダリア』『三峡好人』『百年恋歌』『マッチポイント』『トゥモロー・ワールド』といった作品にも愛着が残る。


 ワーストは、積極的に推したいのは1〜4迄で、以下は水準程度に達してはいるので無理矢理入れるのも何だが、それでも作品に疑問は感じた。
 上位に入れた『ホステル』は、脱出からようやく映画が動き始める遅さと、逃避行の演出には相当な演出力を求められるのに、そこに足りないものを多く感じた為。切断描写(切株とか死んでも使いたくないない)も物足りなくて、観ている側に痛みを感じさせるにはショットの切り替わりが早過ぎて、もっとじっくり観たかった。


2006年鑑賞作品一覧
■日本映画新作
        
るにん ☆☆★★★
かえるのうた ☆☆☆★
男たちの大和 YAMATO ☆☆☆
童貞。をプロデュース ☆☆☆★★
犯罪学会 ☆☆☆★★
南の島にダイオウイカを釣りにいく ☆☆☆
私の志集 三〇〇円 ☆☆☆
三年身籠る ☆☆☆★★
THE 有頂天ホテル ☆☆☆
博士の愛した数式 ☆☆☆★
転がれ!たま子 ☆☆
エリ・エリ・レマ・サバクタニ ☆☆☆★★
ドラえもん のび太の恐竜2006 ☆☆☆★★
好きだ、 ☆☆
ブラックキス ☆☆☆★
映画監督って何だ! ☆☆
ヘイズ ☆☆☆★
闇打つ心臓 ☆☆☆★★
子宮で映画を撮る女(再) ☆☆☆★★
南の島にダイオウイカを釣りにいく(再) ☆☆☆★
童貞。をプロデュース(再) ☆☆☆★★
私の志集 三〇〇円(再) ☆☆☆
小さき勇者たち ガメラ ☆☆★
かもめ食堂 ☆☆☆
ヨコハマメリー ☆☆☆☆
草叢 ☆☆☆★
ヒモのひろし ☆☆☆★★
立喰師列伝 ☆☆☆
ゲルマニウムの夜 ☆☆☆★
言い出しかねて(再) ☆☆☆★
インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ ☆☆☆★★
嫌われ松子の一生 ☆☆☆★★★
間宮兄弟 ☆☆☆★★
童貞。をプロデュース(再) ☆☆☆★★
僕は神戸生まれで、震災を知らない ☆☆☆
嫌われ松子の一生(再)☆☆☆★★★
日本沈没 ☆☆★★★
バッシング ☆☆☆★★★
初恋 ☆☆☆
紀子の食卓 ☆☆☆★★
あんにょん・サヨナラ ☆☆★★★
ブレイブ・ストーリー ☆☆
真昼ノ星空 ☆☆☆
蒼ざめたる馬 ☆☆☆★★
複製の廃墟 ☆☆☆★
朝日のあたる家 ☆☆☆★★
ハチミツとクローバー ☆☆★★
ゲド戦記 ☆★★
男はソレを我慢できない ☆★★★
水の花 ☆☆☆★★
花よりもなほ ☆☆☆★
雪に願うこと ☆☆☆★★
ルック・オブ・ラブ ☆☆☆★★
青春☆金属バット☆☆☆
愛妻日記 ☆☆★★
饗宴 ☆☆★
時をかける少女 ☆☆☆★★★
パビリオン山椒魚 ☆☆
オトシモノ ☆☆☆★
蟻の兵隊 ☆☆☆★★
太陽の傷 ☆☆☆★
ふしだらな女 真昼に濡れる☆☆☆★★
スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ ☆☆★
サンクチュアリ ☆☆☆★
虹の女神 Rainbow Song ☆☆★★★
ストローベリーショートケイクス ☆☆☆☆★
魂萌え! ☆☆☆★★★
松ヶ根乱射事件 不完全鑑賞につき評点なし
LOFT 不完全鑑賞につき評点なし
犬神家の一族 ☆☆☆☆
紙屋悦子の青春 ☆☆☆★★★
ハチミツとクローバ(再) 不完全鑑賞につき評点なし
間宮兄弟 ☆☆☆★★
LOFT 再) 不完全鑑賞につき評点なし
中学生日記 ☆☆☆★★
悶絶 ほとばしる愛欲 ☆☆
HAZARD ☆☆★★★
市川崑物語 ☆☆☆☆
おじさん天国(再) ☆☆☆★
犬神家の一族 (再)☆☆☆☆
ゆれる ☆☆☆★★★
ありがとう 不完全鑑賞につき評点なし




■日本映画旧作 

玉割り人ゆき 西の廓夕月楼 ☆☆☆★★
カレーライスの女たち ☆☆☆★★★
佐賀県 ☆☆☆
ドキュメント路上 ☆☆☆★
留学生チュアスイリン ☆☆☆★★★
水俣一揆 ☆☆☆★★
回想川本輝夫 ☆☆☆★
二胡在新宿 ☆☆★★★
子宮で映画を撮る女 ☆☆☆★★
虹を渡る ☆☆★★
野球人間 ☆☆★
現代の映像『ベトナム帰休兵』 ☆☆☆★★
NHKスペシャル 『戦争を記録した男たち ファインダーの中のベトナム戦争』 ☆☆☆★★★
いつもでない一日 北見北斗高校の強行遠足 ☆☆☆☆
人間列島『18歳男子』 ☆☆☆☆
廃船 ☆☆☆★★
稲田の草庵 ☆☆
新潟県魚沼川の悲惨時 四つの魂 ☆☆☆
黄金の弾丸 ☆☆☆★
小さな冒険旅行 ☆☆☆★
明日の太陽 ☆☆
日本の夜と霧 ☆☆☆★★★
こちら葛飾区亀有公園前派出所 ☆☆★★
秘)湯の街 夜のひとで ☆☆☆
痴漢夜行列車 ☆☆★★
痴漢電車 下着検札 ☆☆☆★
はしたない妻の蜜壷 ☆☆☆
ロスト・ヴァージン やみつき援助交際 ☆☆☆☆
星のセレナード 田中路子独唱会 ☆
闇打つ心臓」[8mm版] ☆☆☆
暗くなるまで待てない! ☆☆☆★
100%の女の子 ☆☆★★
闇のカーニバル
シャッフル ☆☆☆★
ミスピーチ 巨乳は桃の甘み ☆☆☆
援助交際物語 したがるオンナたち(再) ☆☆☆★★
欲情ヒッチハイク 求めた人妻 ☆★
わいせつステージ 何度もつっこんで ☆☆☆★
人妻を濡らす蛇 −SM至極編− ☆
恋の画集 ☆☆☆★
モダン道中 その恋待ったなし ☆☆☆★
玉割り人ゆき ☆☆☆☆
変態家族 兄貴の嫁さん ☆☆☆★★★
絶倫絶女
団地の奥さん、同窓会へ行く ☆☆☆
悶絶!!電車男 ☆☆
痙攣 ☆☆☆★★
カレーライスの女たち ☆☆☆★★★
あんにょんキムチ ☆☆☆★★★
キャバレー日記 ☆☆☆★★
徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑 ☆☆☆★★
三味線とオートバイ ☆☆☆
圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録 ☆☆☆★★★
恋の片道切符 ☆☆☆★
韓朝中在日ドキュメント セキ☆ララ ☆☆☆★★★
東シナ海 ☆☆
ポルノの女王 にっぽんSEX旅行 ☆☆☆☆
白い指の戯れ ☆☆☆☆
狂った野獣 ☆☆☆☆
ピラニア軍団 ダボシャツの天 ☆☆★★★
今夜は踊ろう ☆☆★★★
白い肌に狂う牙 ☆☆☆
SCHOOL DAYS ☆☆☆
SCHOOL SOUNDS ☆☆☆
錆びた缶空 ☆☆☆
五月雨厨房 ☆☆★★
悲しいだけ
Pellet
東京から遠くはなれて ☆☆☆★
しがらみ学園 ☆☆☆★
逃走前夜 ☆☆☆
生首情痴事件 ☆☆☆★★
にっぽん・ぱらだいす ☆☆☆★
にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活 ☆☆☆★★
人間蒸発 ☆☆☆★★★
鬼っ子 闘う青年労働者の記録 ☆☆★★★
朝日は輝く ☆☆☆★★★
東京行進曲 ☆☆☆☆
麻薬3号 ☆☆☆★★★
ふりかえって・夏―対人関係を考える― ☆☆★
バズーカ先生と子どもたち ☆☆
中学時代―受験にゆらぐ心― ☆☆★★
異常性愛記録 ハレンチ ☆☆☆☆★
第三次世界大戦 四十一時間の恐怖 ☆☆☆★★
怪猫トルコ風呂 ☆☆☆★★
おんな極悪帖 ☆☆☆★
獣人雪男 ☆☆☆★★
九十九本目の生娘 不完全鑑賞につき評点なし
好色源平絵巻 ☆☆☆★
秘録おんな蔵 ☆☆☆★★★
犬神の悪霊 ☆☆☆★★
奇々怪々 俺は誰だ? ☆☆☆★
黒い十人の女 ☆☆☆★★
マタンゴ ☆☆☆★★
盲獣 ☆☆☆★★★
女獄門帖 引き裂かれた尼僧 ☆☆☆★
東芝の電気車輌 不完全鑑賞につき評点なし
わが愛北海道 ☆☆☆★★
四十路未亡人と猫 ねぶり責め 不完全鑑賞につき評点なし
あほう 不完全鑑賞につき評点なし
凍りついた炎 ☆☆☆★★
幸福 ☆☆☆☆★
吾輩は猫である ☆☆☆★★★
華魁 ☆★★★
日本の夜 女・女・女物語 ☆☆★★
白日夢 1964 ☆☆
白日夢 1981 ★★★
浮世絵残酷物語 ☆☆★★★
源氏物語 ☆★★★
戦後残酷物語 ☆☆☆★
(秘)女郎責め地獄 ☆☆☆☆
爆発! 750cc族 ☆☆☆★
デメキング ☆☆☆★
にぎって ☆☆☆
イボイボ ☆☆☆★★
たまもの ☆☆☆
愛する ☆☆☆★★
それでも ☆☆☆★★★
欲情教師 狂い抜き ☆☆★
夕陽に赤い俺の顔 ☆☆☆
おとし穴 ☆☆☆☆
地獄の天使 紅い爆音 ☆☆☆★★
放飼(HANASHI★GUY) 
ピピンポップ
昼顔海岸
因果の手 ☆☆☆★
マリコ三十騎 ☆☆☆☆
狂走セックス族 ☆☆☆
性と愛のコリーダ ☆☆☆★★
発禁 肉蒲団 ☆☆☆
濡れた欲情 ひらけ!チューリップ ☆☆☆★★★





■外国映画新作 

ロード・オブ・ウォー ☆☆☆★★
SAYURI ☆☆☆★
ミュンヘン ☆☆☆★★★
愛より強い旅 ☆☆☆★
キング・コング ☆☆☆☆
PROMISE ☆★★★
スティーヴィー ☆☆☆☆
ジャーヘッド ☆☆☆★★
僕のニューヨークライフ ☆☆☆★★
ある子供 ☆☆☆★
ホテル・ルワンダ ☆☆☆★★★
フライトプラン ☆☆☆★★
メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 ☆☆☆★★★
ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ! 日本語吹き替え版 ☆☆☆★★
シリアナ ☆☆☆
送還日記 ☆☆☆☆
SPIRIT ☆☆☆★★
SPL 狼よ静かに死ね
力道山 ☆☆☆★★
君とボクの虹色の世界 ☆☆☆★
ククーシュカ ラップランドの妖精 ☆☆☆★
マンダレイ ☆☆☆☆
変態村 ☆☆☆
ラストデイズ ☆☆☆★★
ニュー・ワールド ☆☆☆★★
隠された記憶 ☆☆☆★★★
夜よ、こんにちは ☆☆☆★★★
ファザー、サン ☆☆☆★★
グッドナイト&グッドラック ☆☆☆★★
ブロークバック・マウンテン ☆☆☆
ドッグ・デイズ ☆★★
ポセイドン ☆☆☆★★
ブロークン・フラワーズ ☆☆☆☆
プラハ! ☆☆★★★
クラッシュ ☆☆☆★
ココシリ ☆☆☆
プルートで朝食を ☆☆☆★★
恋は足手まとい 不完全鑑賞につき評点なし
ダ・ヴィンチ・コード ☆☆☆
M:i:III ☆☆☆★★★
グエムル 漢江の怪物 ☆☆☆★★★
ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 ☆☆☆
楽日 ☆☆☆★★
迷子 ☆☆☆★
ユナイテッド93 ☆☆☆★★
スーパーマン リターンズ ☆☆☆★★
太陽 ☆☆☆★★★
マイアミ・バイス ☆☆☆
西瓜 ☆☆☆★★★
弓 ☆☆☆★
水没の前に ☆☆☆☆
ブラック・ダリア ☆☆☆★★
スネーク・フライト ☆☆☆★
ホステル 30分観ただけで帰ったので評点なし
ホステル ☆☆★★
三峡好人 ☆☆☆★★
百年恋歌 ☆☆☆★★
マッチポイント ☆☆☆★★
黒眼圏 ☆☆☆★
ローズ・イン・タイドランド 不完全鑑賞につき評点なし
エコール ☆☆☆★
トゥモロー・ワールド ☆☆☆★★
父親たちの星条旗 ☆☆☆




■外国映画旧作
 
フープ・ドリームス ☆☆☆☆
ヨシワラ ☆☆☆★★★
ヒトラーのためのソタナ ☆☆
ペテルブルグ・エレジー ☆☆★
マザー、サン ☆☆☆★★
セブンスコンチネント ☆☆☆★★
ベニーズビデオ ☆☆☆★★
ゲアトルーズ ☆☆☆★
チューブ博士の狂気
ほほえむブーデ夫人
バレエ・メカニック
幕間
純粋映画の五分間
貝殻と僧侶
塔
パシフィック231 ☆☆☆★
たそがれの女心 ☆☆☆★
赤い風船 ☆☆☆☆
陽気なドン・カミロ ☆☆☆☆★
立派な詐欺師 ☆☆☆★★
虎は新鮮な肉を好む ☆☆☆★★
のらくら兵 ☆☆☆★★★
スパイ ☆☆☆★★
陽気な監獄 ☆☆☆★★★
牡蠣の王女 ☆☆☆☆
男だったら ☆☆☆★★★
山猫リシュカ ☆☆☆★★★
ストーン クリミアの亡霊 ☆☆☆★★
小さな兵士 ☆☆☆★★
王と鳥 ☆☆☆★★★
人生の幻影 ☆☆☆★★★
天使の影 不完全鑑賞につき評点なし

映画 『性と愛のコリーダ』『発禁 肉蒲団』『濡れた欲情 ひらけ!チューリップ』

梅田日活ロマンポルノ特集 第2回梅田日活劇場ホームページ ロマンポルノ女優人気コンテスト(73・74年篇)より

 昼頃、大阪に着いたものの、用件までにまだ大分時間があり、行きつけの店も悉く休みになっていたので、映画でも観て時間を潰そうとしたら、いずれも微妙で、どうするかと。フト、ロマンポルノかピンク映画でも観たいと思い立ち、堂山の梅田日活前まで行く。そうすると、丁度『性と愛のコリーダ』『発禁 肉蒲団』『濡れた欲情 ひらけ!チューリップ』の3本立てをやっていたし、時間も丁度良かったので嬉々として入る。『発禁 肉蒲団』は初見、それ以外は以前観てはいたが、劇場で観るのは初めてである。
 梅田が便利なのは、ミニシアターが密集していることで、心斎橋がパラダイスシネマ撤退後のシネマートになってからは微妙な並びなのでアレだし、シネマ・ドゥも日本橋の国名小劇も無くなった現在では、ミニシアター系を観ようと思えば、梅田でほぼ事足りる。たいして広くもないから、移動も徒歩でそう時間がかからないので、東京のようにハシゴをしようとしたら、渋谷から新宿へ、恵比寿へ、神保町へ、有楽町へ、或いは上野へと、相当な移動を強いられることはなく、気軽にハシゴできるのが良い。扇町にあった扇町ミュージアムスクエアへ行くのも、天六ホクテン座へ行くのにしたって、梅田から徒歩でも近い。そういった環境に慣れていたせいか、東京のミニシアター事情に初めは困惑し、見逃す作品が続出した。最近はヒットしている作品なら複数の劇場でかかったりするので、そう面倒でもなくなったが。
 成人館で言えば、自分はこの梅田日活劇場ぐらいしか知らなかった。ここも古めかしいとは言え、清潔ではあるし、レディースシートを導入したり、特集上映に力を入れているので、成人館の印象というのはここが基準となっていて、こんなもんかと思っていたので、新宿国際の荒涼とした光景を初めて観た時は唖然とした。
 久々に入った梅田日活劇場だが、相変わらず70年代か60年代からそのままな雰囲気の場内だった。客層もいかにも大阪な感じのオッサンと、自分と同じ位の年齢のロマンポルノ目当てで来たようなヒトが僅かに居たぐらいのものだった。
 土地柄や、そこに居るヒトのナリを知っているせいか、梅田日活では特に怖い思いをしたこともない。上野ではそうでもないが、新宿国際とかだと、得体の知れないヒトが常時徘徊していたりして、後ろに立たれるとヒヤリとする時がある。
 ただ、禁煙の灯りが灯っていようが平気でタバコを吸うのはどこも同じで、まあ、こういう場ではしゃーない。
 
 こんなことが起こった。自分の前に座っていたオッサンが、観ている最中に自身の服の中をまさぐり始め、タバコを咥えたのが、横を向いた際にわかった。どうも、火がないらしい。で、そのオッサンの近くに座っていた関係ないオッサンに、そのオッサンが地声で、「すんまへん。火、ありまへんか」と聞く。聞かれた方も手振りで無いと言うなり、小声で無いと言えば良いものを、これまた地声で「わし、吸わへんから、火なんか持ってないで」と、実に論理的に返した。そこまで懇切丁寧に説明する必要があるのか。
 で、その聞かれたオッサンも、それなら放っておけば良いものを、お節介なのか何なのか、クルリと後ろを振り返り、おとなしく観ている自分に向かって、「兄ちゃん、火、持ってないか」と聞いてきた。こっちもこのオッサン達のペースにいつの間にか乗せられていたようで、小声で無いと答えておけば良かったものを、何故か「僕、もう止めたんで持ってないですわ」と、これまた実に懇切丁寧に答えてしまう。そうすると間髪入れずに、「ほう、止めたんか。なんで?」と問われ、これまた答えなくても良いのに、危うく「いや、前につきあってた子が止めて、言うから止めたんです」などと言いそうになったが、自分から話を長引かせてどうすると気づき、「ええ‥」と会話を打ち切って、再びスクリーンを見詰めるヒトに戻った。
 ちなみに、火を欲しがってたオッサンは、こちらの会話を尻目にフラフラと外に出て行き、どうやら受付のオッサンに火を貰ったらしく、煙を吐きながら場内に戻って、「おおきに」と自分達に言いながら席についた。場内に灯っている『禁煙』の文字の立場はどうなるんやと。
 しかし、なんでこんなオッサンらと、そんなコミ入ったハナシをせないかんねん、映画を観ている最中やのに。
 

303)『性と愛のコリーダ』 (梅田日活劇場) ☆☆☆★★

1977年 日本 日活 カラー スコープ 分
監督/小沼勝    脚本/田中陽造 鹿水晶子    出演/八城夏子 岡本麗 片桐夕子 谷ナオミ 室井えりな
性と愛のコリーダ [DVD]








304)『発禁 肉蒲団』 (梅田日活劇場) ☆☆☆

1975年 日本 日活 カラー スコープ 分
監督/白井伸明    脚本/大和屋竺    出演/東てる美 岡本麗 二條朱実 芹明香 谷本一

305)『濡れた欲情 ひらけ!チューリップ』 (梅田日活劇場) ☆☆☆★★★

1975年 日本 日活 カラー スコープ 分
監督/神代辰巳    脚本/神代辰巳 岸田理生    出演/芹明香 谷ナオミ 二條朱実 小松方正 間寛平 

 大阪の劇場で観る『濡れた欲情 ひらけ!チューリップ』は迫力が違う。
 『(秘)色情めす市場』を初めて観た学生の頃、天王寺に住んでいたので、ビデオを観終わった後に興奮したまま、自転車で10分程で行ける飛田遊郭内を走り回った。『アンチェイン』を新世界のシネフェスタで観た後に、出てくると映画と同じ光景が広がっていること興奮したり、『追悼のざわめき』でも同じ思いがあった。そういう意味で、『(秘)色情めす市場』を大阪の劇場で観ていないのはやはり残念で、できれば今年3月に閉館が決まったという新世界のシネフェスタで観たかった。観終わって直ぐに映画の舞台を走り回りたい欲求に駆られる作品だから。
(続く)