書籍

1) すべての映画アニメになる (押井守) ☆☆☆★★

すべての映画はアニメになる[押井守発言集] (アニメージュ叢書)

アニメージュ」誌上に20年あまりに渡って掲載された押井守関連記事よりインタビュー、対談を中心に押井自身がセレクトしたもの。
対談は宮崎駿富野由悠季安彦良和といったアニメ巨匠監督から、実写畑では当時新進だった大森一樹金子修介など。
個人的には幻の押井ルパンを特集した「アニメージュ・84年10月号」の押井・宮崎・大塚対談を再録すべきだったと思うが、押井自らセレクトしているのだから無理な話か。
宮崎との「機動警察パトレイバー2」を巡る対談はキネ旬別冊にも再録されていたが、「うる星やつら オンリー・ユー」並びに「同 ビューティフルドリーマー」を語り合った対談は初めて読んだので興味深かった。又、富野由悠季と押井の対談も戦争を主軸にしたやりとりだけに面白い。
この手の対談の常として同時代性が強い為、現在からは時代錯誤であり時代性のズレが今や痛々しく感じる箇所も多いが、押井守という映画作家を論じる上では必読の書である。