TV ウルトラQ〜darkfantasy 第24話「ヒトガタ」
1)「ウルトラQ〜darkfantasy 第24話『ヒトガタ』」 (テレビ東京)☆☆☆★
2004年 日本 円谷プロ カラー
監督/実相寺昭雄 出演/堀内正美 寺田農
「ウルトラQ〜darkfantasy」も一応録画はしているが、最近でも山田正弘(先述の吉田喜重の脚本家)がオリジナル版で書いていたカネゴンを自らリメイクしたり、金子修介、鶴田法男を監督に起用したりと、面白い試みもなされているが、シリーズの中心を担う服部光則らが甚だ頼りない為にシリーズとしての体裁も悪くなっている。
今週と来週は実相寺昭雄が登板するとあって期待させられたが、それに違わぬ完成度で、大いに満足した。
言ってしまえば江戸川乱歩の「虫」「人でなしの恋」を合わせたようなもので、古びた土蔵の中で人形に恋するハナシである。
現在の東京を舞台にしながら、その片隅に遺された土蔵を相変わらずの斜角ショットの多用で描いているのが、ひたすら心地良い。その間にインサートされる煽りで捉えられた空の素晴らしさ。これでフィルムか24Pで撮られていれば、と思わずにはいられなかったが。
関節人形の見せ方も流石に堂に入っており、押井守の「イノセンス」など遠く及ばない。ただ、喋らせるのでなく、あくまで主人公の心象内に響く声として、字幕で処理した方が良かった。
レギュラーの草刈正雄をロングショットの逆光でしか見せないのも実相寺らしすぎて笑ってしまう。
残念なのはラストの呪術を使う展開がいかにも安っぽく、脚本の小中千昭の責任というか「帝都物語」の監督やな〜というか。