映画 「キャットウーマン」

molmot2004-11-26

1)「キャットウーマン」〔Catwoman〕 (Tジョイ大泉) ☆☆☆★

2004年 アメリカ カラー シネマスコープ ワーナーブラザーズ 104分 
監督/ピトフ  出演/ハル・ベリー シャロン・ストーン ベンジャミン・ブラット ランベール・ウィルソン

 思えば「バットマン・リターンズ」公開直後からキャットウーマンを主人公にしたスピンオフ企画のハナシが出ていたが、実現までに実に12年要した。この程度のプログラムピクチャー企画が何故そんなに時間がかかってしまうのか、という思いは、当初当然主役に予定されていたミシェル・ファイファーが既に46歳を迎えてしまったことでも思わせられるが、ティム・バートンの素晴らしいキャットウーマン像を最上に考える者にとっては、今回のようやくの実現は全く魅力的には思わなかったが、 ハル・ベリーが主演と聴けば観ない訳にはいかない。
 ハナからB級映画なのはわかっているので、ハル・ベリーがいかに魅力的に映っているかということが肝心で、その意味では前半のキャットウーマンになるまでのハル・ベリーが、非常に可愛い。後半のキャットウーマンになってからも、コスチュームデザインの不味さはともかく、セクシーさは申し分なく、一夕のエンターテインメントとしては十分楽しめた。
 シャロン・ストーンの悪役も良く、自虐的なまでの整形、肌の老齢化ネタを用いて楽しげに悪役を演じており、ハナから演技ができるヒトではなかったし、ハリウッド女優が直面する40回った後の対処法として、デミ・ムーア同様この分野に進んだのは聡明だ。何故かキャットウーマンが苦戦するぐらい強いのか、という疑問もシャロン・ストーンだからという理由だけで納得させられるだけでも貴重な人材だ。
 当然ながらキャットウーマンに関しては「バットマン・リターンズ」の同工異曲になってしまい、ハナシにもう一展開欲しかったが、ハル・ベリーしか見ていなかったので、どうこう言う気はない。

2)「下妻物語」(DVD) ☆☆☆☆ 


2004年 日本 『下妻物語』製作委員会  カラー  ビスタ 102分
監督/中島哲也  出演/深田恭子 土屋アンナ 宮迫博之 篠原涼子

 劇場で2回(5/316/13)観た上で、DVDでの再々見となったが、やはり何度観ても素晴らしい。『今しか理解できない旬な企画(中略)。深田恭子が大人の女優になる頃には、これは赤面するほど古くさい映画になっている』などという愚論が全く該当しない秀作であることを再確認した。勿論、小池栄子の件りで小池の演技の不味さが足を引っ張っているとか、5/31でも書いた、キメの重要な科白を聞かせる場所がやや立ち過ぎている嫌いがあるが、それでもここまでの完成度に到達したことは称賛されるものだ。