展示 「黒澤明アート展」「表参道 2006展」

1)「黒澤明アート展」(森アーツセンターギャラリー)


最終日だったので、それなりの入りだったが、展示は「影武者」「乱」「夢」「八月の狂詩曲」「まあだだよ」「海は見ていた」など。
 鮮やかな色彩で描かれたイメージボードやコンテはそのまま映画として完成しているわけだが、このイメージが忠実に映像化されていることに思い至り、黒澤の凄まじさを改めて思う。但し、「どですかでん」以降の黒澤作品は絵画の世界に入ってしまい、確かにイメージボードが忠実に映画化されているのだが、それ以上のものにはなっていない。そういう意味で「乱」は絵画的世界と映画が唯一融合できた傑作だった。

2)「表参道 2006展」(森都市未来研究所 )


 表参道の歴史は小林信彦の著作で齧ったぐらいだが、同潤会アパートという素晴らしい空間を表参道ヒルズとしてバカなものを建てようとする展示をムカムカしながら見ていたが、今度できるものになど興味は沸かず、ひたすら過去の表参道を見ていた。