映画の噂

 同時間帯にMTVで「リンダ リンダ リンダ」、NECOで鈴木清順の夫々15分ほどの特集番組が組まれていたのでザッピングしながら観る。
 「リンダ リンダ リンダ」は山下敦弘ぺ・ドゥナ香椎由宇前田亜季らが囲んんで語る趣向。にしても、97年にスクリーンサーカスで「腐る女」を観て、一番良かった作品を書きなさいと求められ、「腐る女」を挙げて、この監督は商業監督として成功する。と書いたのは間違っていなかったと作を追うごとに評価を高めて行く山下敦弘を見て思う。これは別に自分に先見の明があったわけでは全く無く、あの時の上映会で流された全作を観た者なら、一目瞭然で山下敦弘の作品が商業作品として成立し、ある程度の大成はするに違いないと感じた筈だ。恐らく、「リンダ リンダ リンダ」がブレイクポントになるのは間違いないだろうから、期待したい。しかし、この番組、大半をぺ・ドゥナのお勧め韓国料理の説明で埋められていた。
 清順は、おすぎ、宍戸、川地といった人々の証言と共に、今月から始まる清順日活作品全作放送の予告と「オペレッタ狸御殿」の予告等。新作の評判はそろそろ周りからも聞いているし、「夢二」以降の清順と認識しているので、少々のことには怯まないが、オダギリ・ジョーや、チャン・ツィーが出ているからと清順耐性なく来たヒトのリアクションは江角目当てで来た女性が呆然としていた「ピストルオペラ」以上の惨劇を巻き起こすのではないかと思うと楽しい。