映画 「やさしくキスをして」

molmot2005-06-08

93)やさしくキスをして 」[Ae Fond Kiss...] (アミューズCQN) ☆☆☆★★

2004年 イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン    カラー ヴィスタ 104分 
監督/ケン・ローチ     脚本/ポール・ラヴァティ     出演/エヴァ・バーシッスル アッタ・ヤクブ アーマッド・リアス シャムシャド・アクタール

 魅力に著しく欠けるタイトルから、危うくスルーしそうになったが、ケン・ロ−チの新作が公開されていた筈だと気付き、慌てて観ることにした。
 ケン・ローチの新作は、民族・宗教の違いにより結婚を家族に反対される物語。と聞けば、ハナから観る気が起きないし、大嫌いな種類の映画だ、などと中学の頃だったか金佑宣の「潤の街」が学校で上映され、監督も呼んでみたいなことがあり、感想を書けというので正直に最低だと書いて、担任教師が誰が作品論を書けといった、などと言うので、だから感想を書けと言ったじゃないか、などと言い争ったことを思い返してしまうから、と言うわけでもないが、兎に角、作劇性に依存しきった過大な感情表現とメッセージ性に満ちた作品は嫌いである。
 普段、映画を観る際に事前情報を殆ど入れないので、本作がそういった作品であるとはー(ま、ケン・ローチなのだから民族問題が入ってくることは分かっていたが)知らなかったが、前述の様な不快感は一切ない小品の佳作だった。
 ケン・ローチ映画御馴染みの後半不幸ドーンという展開ではあるのだが、つまらない結論や、説教臭い方向へ持って行かずに、状況を提示するだけの姿勢が良かった。
 優柔不断な黒い男が全部悪いと思うが、世の中こんなに保守勢力が強いのかと思わせる。