覚書 観る映画

 最近、友人知人と嘆きあうのは、映画館の混み具合についてで、勿論全ての映画がというわけではないにしても、それなりの数の作品が、例の高校生3人千円サービスとかの影響も絶大だと思うのだが、夏休みのガキやらで占められている。大体「ヒトラー 最期の12日間」とか「皇帝ペンギン」があれだけ大入りなのは異様で、ま、興行が活気づくのは誠にケッコーだとは思いつつ、身勝手なのは百も承知で一観客としては、学生の頃からメジャー系・ミニシアター系含めて平日のガラガラの映画館で過ごしてきたのが染み付いているせいか、この暑い中、早めに劇場に行って席を確保しなければと思いつつ劇場へ行くのは、気が重い。最近は、シネコンが増えたせいで、都心部のミニシアターでやってる作品が郊外のシネコンでもかかることがあり、大変有難いのだが、一方で、かなりのヒットになっているのに都内は1館のみでしかやらない作品(恵比寿ガーデンシネマに多い)などは、腹が立つ。前述の「ヒトラー 最期の12日間」や「皇帝ペンギン」は拡大公開されたので良かったと思うが。今日観た「ヴェラ・ドレイク」と「ライフ・イズ・ミラクル」も銀座でしかやっていないから、タイミングが合わず苦労した。大体、この2本は続けてではなく1本ずつ丹念に観るべき作品だ。
 というわけで、特集上映も重なりまくり、旧作と新作含めて見逃しが増えてきたので覚書。

■特集上映

ドイツ時代のラングとムルナウ」(有楽町朝日ホール)9/10〜19

 本日より前売りが発売だったので、5回券を2枚買う。相変わらず朝日が入ると高く、10回観るために1万6千円取られて嘆息する。本来前売り買えば1本800円〜千円にして当然である。
 とりあえず観れるだけは観るつもりだが、その際優先されるのは、未見であること、ソフト化されていない、またはされていても今回上映される作品がその後の復元作業を経た異なるヴァージョンであるといった要件を満たした作品で、本音を言ってしまえばラングだけ観れたら良いのだが、ムルナウは観ていない作品が多いので、観ておく。以下観る予定の作品。「ハラキリ」「ニーベルンゲン」「メトロポリス」「スピオーネ」「月世界の女」
「フォーゲレット城」「吸血鬼ノスフェラトゥ」「燃ゆる大地」「ファントム」「最後の人」「タルチュフ」「ファウスト」。

「嗚呼!! 七〇年代劇画イズム RETURNS」(ラピュタ阿佐ヶ谷

高校生無頼控」9/10〜16 
 脚本が佐々木守足立正生なので前から観たかった。足立正生、出国前の最後の脚本。それにしても、1972年に、いくら製作は国際放映東宝は配給のみといっても、佐々木守足立正生脚本でやってしまうのが凄い。この作品については、足立の「映画/革命」に詳しいが、当時東宝の企画選定に寺山修司 中山千夏 赤塚不二夫が居たことから、足立の監督作品としてゴーが出てしまい、東宝が慌てたというエピソードがある。結果、江崎実生が監督して普通の作品にしてしまったと言うが、それでも是非観たい。
玉割り人ゆき」9/17〜23 
 娼婦モノは大好きなので、当然観る。牧口雄二のデビュー作。確かビデオ化はビデオ初期時代にされていた筈だが、レンタル店にはなかったような‥。

生誕百年特集 映画監督 成瀬巳喜男」(フィルムセンター)8/20日〜10/30

 成瀬に関しては6年前のシネヌーヴォでの特集に通ったのと、日本映画専門チャンネルでの放送で観ているので、熱心に通う気はないが、フィルムセンターのみ所蔵している作品と、フィルムも殆ど残っていなければ、ソフト化しているのも極一部という、作家を擁する映画作りが盛んな会社の割にフィルム保存が杜撰すぎる松竹作品のみ行こうかと。
「上海の月」8/27(土)2:00pm  9/15(木)4:00pm  9/30 (金)7:00pm 
 戦中に撮影された山田五十鈴のスパイ映画。114分の作品でありながら、現存するのは僅か53分だが、観れるのは嬉しい。
「母は死なず」8/27(土)5:00pm 9/16(金)1:00pm 10/6(木)4:00pm  
 こちらも62分の不完全版だが、観れるとは思っていなかっただけに嬉しい。
「腰辨頑張れ」「夜ごとの夢」8/20(土)11:00am 9/14(水)4:00pm 9/27(火)7:00pm
 この2作は既に観ているが松竹は「夜ごとの夢」しかソフト化していないので「腰辨頑張れ」を再見したい。
「生さぬ仲」
9/21(日)11:00am 9/13(火)7:00pm 9/28(水)1:00pm
 上記同様再見。
「君と別れて」8/21(日)2:00pm 9/14(水)1:00pm 9/29(木)4:00pm
 上記同様再見。
「限りなき鋪道」8/21(日)5:00pm 9/15(木)1:00pm 9/27(火)1:00pm
 こちらは未見。
 その他の作品も時間が合えば観たい。

ソビエト映画回顧展05」(三百人劇場)8/20〜9/11

 こちらは、観れるかどうか覚束ないが、せめて「アエリータ」「宇宙旅行」「ピルクスの審問」あたりは観たい。

映画の授業 夏期講習編」(アテネフランセ)8/23〜9/2

 こちらも殆ど行けないだろう。ウォルシュやダグラス・サークもあるし、「アナタハン」もあるというのに。

野村芳太郎監督特集上映」(東劇)

「拝啓天皇陛下様」「八つ墓村」8/18・19 
 ビデオ、LD、DVDとまで持っていながら、だからこそなのかもしれないが劇場で上映される何度かの機会を悉く逃してきたので今度こそ「八つ墓村」を劇場で。

ピクトアップナイト『犬猫と裸足のライオン』」(テアトル新宿)9/10

 観たいのは「犬猫 8mm版」だが、これ1本のために「裸足のピクニック」と「3月のライオン」をオールナイトで観るのは苦痛。

林由美香追悼特集上映」9/3〜21

 方々で特集が組まれるので未見の作品を中心に観ていきたい。「由美香」と「プチ由美香」こと「愛しのAVギャル〜林由美香編」はビデオを持っているのでパス(自転車3部作はDVDにならないものか)。気になるのがカンパニー松尾による「YUMIKA 1989-1990 REMIX」で、こちらは9/23と9/26に19:30よりUPLINK FACTORYで。
 渋谷シネ・ラ・セットでは、かなりの数の作品が上映されるので嬉しいが、全作DLP上映というのが辛いところで、それでもソフト化されていない気になる作品だけは観ておかなければならない。


■新作映画
「埋もれ木」「ターネーション」「逆境ナイン」「運命じゃない人」「いつか読書する日」「サヨナラCOLOR」「ヒナゴン」「魁 クロマティ高校」「チーム★アメリカ」「ヒトラー 最期の12日間」「皇帝ペンギン」「67歳の風景 若松孝二は何を見たのか」「リンダリンダリンダ」「スターウォーズ エピソード3」「亡国のイージス」「妖怪大戦争」「アイランド」「濡れた赤い糸」「0:34」「メリンダとメリンダ