腰抜けテアトル

 テアトル梅田とテアトル新宿は最も頻繁に通ったミニシアターで、殊にテアトル梅田で観た本数は100本は軽く越えるだろう。日本映画への肩入れも頼もしかった。
 しかし、柴田剛の「NN 八九一一零ニ」が、テアトル梅田での上映を蹴られたとか、若松孝ニの「17歳の風景 少年は何を見たのか」が当初はテアトル新宿で公開が決まったものの、客が入らなくとも一定の額を製作者側が劇場に払わなければならないとする制度をテアトルが採っており、保証金が高いので止めにしたと若松が語っていた。結局、そのような制度を取っていないポレポレ東中野での上映になったとのことだ。
 とまあ、それらは単に個人的に以前から引っかかっていたテアトルをめぐる事柄をフト思い出しただけなので本件とは関係ないが、最近のテアトル新宿、テアトル池袋も含めて、常時ガラガラな印象が強い。一観客としては、ゆっくり観れて良いのだが、あれだけのキャパがあるのにガラガラで、少しでも反社会的ならキャンセルするという態度の劇場になんぞ、極力行きたくない。これは以降配給会社が公開を中止したとしても、それに先立ってこういった行為を取った東京テアトルを忘れてはならない。勿論ユーロを始めとする劇場が同様の行為を行った場合でも同様である(しかし、ユーロは「ゆきゆきて、神軍」をかけた所なので、そんな馬鹿な真似はしないと思うが)。
 最近はユーロスペーステアトル新宿で同時公開の作品が幾つか見られるが、ユーロは渋谷だし狭いのでテアトル新宿に回ることが多かったが、移転して広くなるようだし、今のところユーロスペース支持の姿勢でいたいと思う。