雑誌 「en-taxi NO.11」

90)「en-taxi NO.11」


 付録として文庫本がついている。それも笠原和夫の「実録・共産党」と「日本暗殺秘録」が収録されている脚本が文庫でついてくるとなると買わねばならない。もっとも「実録・共産党」は「映画芸術」の笠原和夫追悼号に収録されていたし、「日本暗殺秘録」も「笠原和夫 人とシナリオ」に掲載されている。両方持っているので、不要といえば不要だが、やはり文庫に「実録・共産党」と「日本暗殺秘録」が入っているというのは魅力だ。又、特集の『「七〇年代東映」蹂躙の光学』も興味深かったが、いかんせん福田和也東映映画論は、胡散臭いし、文化人の一極集中的な箇所しか観ずに映画を語ることの滑稽さの典型で嫌。ようは、一時期集中的に観ていただけで、今や年に数える程しか観てないのに、偉そうに批評する輩が嫌いだと。荒井晴彦の対談『「脚本家・笠原和夫の「反」』というのが面白かった。
 しかし、今一番読みたい笠原和夫の未映画化脚本は、「仰げば尊し」と「昭和の天皇」だ。