映画 「せかいのおわり」

molmot2005-10-07

190)「せかいのおわり」 (シネアミューズ) ☆☆☆

2004年 日本 カラー ビスタ 112分
監督/風間志織    脚本/及川章太郎     出演/中村麻美 渋川清彦 長塚圭史 田辺誠一 安藤希 高木ブー つみきみほ

 シネアミューズ最終上映に行ったら、関係者の舞台挨拶が上映後あって、風間志織中村麻美、渋川清彦、長塚圭史が来ていた。余計な時に来たものだと不要な混雑を思ってシクジッタと思ったが、それほど混雑していなかったのは、個人的には良かったが興行的には如何なものか心配になった。
 最終といっても翌日よりシネ・ラ・セットDLP上映されるので、では急ぐこともないかと思ったが、チラシを見ると35mmと書いてあったので、それ以上深く調べずに単純に35なんだと思った。あるいは16をブローアップしているのかもしれないとは思ったが、ま、風間志織なんだし、フィルムだろうと思い込んでいた。だから、フィルム上映で観た方が良いと判断してシネアミューズへ行った。開巻のトンネルの暗部の潰れ方で一瞬ビデオかと思ったが、そうでもなさそうだと以降のシーンを観ながら思った。ただ、ナイトシーン、殊に表参道(?)でロケしている辺りになると、ビデオっぽいので部分的に都心ゲリラ箇所のみ使用しているのだろうかと思いながら観ていた。ラストのクレジットにVEが入っていなかったし、現像がヨコシネで機材協力にパナソニックが入っていたので、やはり部分的なビデオ使用かと思っていたら、上映後に風間志織が(どうでも良いが、昔風間志織と風祭ゆきを混同していた)シネ・ラ・セットでの上映をオリジナル版の上映と言っていたのでもしやと思ったが、パンフを買って確認してみると、DVX-100で全篇撮影していた。DVX-100のフィルムライクな画質はケッコークセがあって、初めこそ物珍しく観ていたが案外飽きる。この作品は、初めからフィルムにすることを決めていたらしいが、かなり違和感なくフィルムに定着しており、ほとんど気にならなかった。むしろ、DLP上映でオリジナル版で観た方がいつものDVX-100っぽさになってしまうのではないか。そういう意味でフィルム版で観て良かったのではないか。作者側の意図にも合っていただろうし。
 日本の若手映画監督御得意の1DK映画というジャンルがある。今年に入って自分が観た範囲でも大雑把に思いつくまま挙げると「犬猫」「青い車」「淫らな唇 痙攣」「さよならみどりちゃん」などがそこに入るのではないかと、実にいい加減な選択だがそう思う。ま、パターンとして男は飲食店か雑貨屋とかやってて、女はフリーターかOLやってて直ぐ辞める。で、引っ付いたり離れたり、友達の女とか入ってきて揉めて、で、セックスシーンで乳出すと。
 と、言いながらこういうジャンルは嫌いじゃない。むしろ好きな部類か。実際、上記に挙げた作品も全て好きだ。こんな映画ばかり撮られても困るが、エンターテインメントは下手な癖に、こーゆーのだと不思議と悪くない力を発揮する日本の若手、中堅なりかけ監督達。
 「せかいのおわり」もそんな一本だ。(続く)