「日本沈没」成島出降ろされる

 加藤正人の単独クレジットに。やはり、清く正しく誠実な東宝なので、例の問題か。どうという問題ではないが、せっかく最近では監督としても評価されてメジャーで撮れるようになったのに、つまらないことでせっかくの機会が減るのが残念だ。豊田利晃にしても、今月イン予定だった新作と来年撮影予定だった作品が中止になったそうで、優れた人達が今後作り出す予定の作品がつまらないことで潰れていくのは辛い。

73年に公開されて大ヒットした小松左京原作の映画「日本沈没」。これが32年ぶりにリメークされて来年公開される。主演は草なぎ剛柴咲コウの2人。製作費20億円の大作である。そんな話題作に絡んで関係者が頭を抱える問題が持ち上がっているという。脚本を担当した成島出氏(44)の痴漢事件である。成島氏は現在、公開中の東映映画「フライ、ダディ、フライ」の監督である。
 事件が起きたのは昨年11月。成島氏が電車の中で26歳の女性タレントの股間を何度も触り、一緒にいた女性の恋人に警察に突き出された。もっとも、立件は難しいという理由でこの時は不問になった。しかし、「フライ」が公開される前後に女性は成島氏をテレビなどで目にする機会が増え、我慢ができなくなり、週刊誌で成島氏を告発したのだ。
 これで困ったのは成島氏と「日本沈没」の製作関係者だ。脚本は加藤正人氏との共同作品ですでに完成。8月下旬にはクランクインされる。その矢先の“痴漢告発”で大慌てなのだ。製作するTBSではこういう。
「大勢の人が関わっている作品なので予定通りクランクインします。ただし、事態を見極める必要もある。『脚本』から成島氏の名前を外し、加藤氏の名前だけにするかも含め検討します」(映像事業部)
 草なぎ、柴咲も出演する期待作が不名誉な痴漢事件で台無しになるのが心配だ。(ゲンダイネット