映画(TV/VIDEO/LD/DVD)「太陽を盗んだ男」

72)「太陽を盗んだ男」(DVD) ☆☆☆☆★

1979年 日本 キティ・フィルム・コーポレーション カラー ビスタ 147分  
監督/長谷川和彦    脚本/レナード・シュレイダー 長谷川和彦    出演/沢田研二 菅原文太 池上季実子 北村和夫 佐藤慶
太陽を盗んだ男 ULTIMATE PREMIUM EDITION [DVD]
 2,3年に一度は必ず観返す作品。DVDが発売されてからは、テレシネが良好なせいもあり、TVで観ていても気持ち良い。
 この作品は中学の頃から、評判を聞いて観たくてたまらなかったが、近隣のレンタル店にはなく、幻だった。あの頃はビデオ時代の初期に出たビデオが廃盤になっていた事情もある。大学に入って阿倍野TSUTAYAでようやくレンタルしてきて観る機会を得た。聞いていた以上の面白さに大喜びしていたら、例のターザン以降の破綻ぶりには驚いた。しかし、だからといって魅力が減らない作品だった。
 その後、DVD発売後に更に何度か再見しても、やはり魅力は減らない。確かに後半は破綻しているが、その破綻は開き直りでも、最近見かけるわざとらしさもなく、勢い余った末の破綻で、愛すべき破れ目と言うべきか。政府に原爆が奪取された段階で現実が終わり、以降は被爆したジュリーの妄想と考えても良い。
 それにしても、あれから26年、長谷川和彦の新作は未だか。90年代後半に「連合赤軍」実現化に最も接近した時期があったが。そういえば、98年にPlanetで「鬼畜大宴会」公開に合わせた鬼プロナイトというのがあって、(熊切の初期8mm「樹」、山下の「腐る女」、スコセッシの卒制、「2001年宇宙の旅」をオールナイト連続上映)そこで熊切が、山本浩司長谷川和彦の新作「連合赤軍」に出演が決まったと喋っていた。70年代な顔しているし赤軍兵士やるには丁度良いと思ったものだが。