何よりも16mmということに目が行ってしまう

 気の毒なハナシではあるが、同時にこの手の無茶は、自主映画という金も責任も介在しないからむしろやってしまうもので、学生の頃を思い出す。撮影許可が下りなければ勝手に撮るということに何の問題も感じていなかった。爆発やら、不法侵入やら今から思うと随分なことをやったり手伝ったりした。エキストラで行っただけでも、赤いヘルメットを被らされて集団で安保粉砕を叫びながら「インターナショナル」を歌うシーンを撮影している段階で近所の奴に通報されたりと。校舎の屋上から命綱もつけずにぶら下がるから、それをロングで撮れと言われて回しながら、落ちたら自分にも責任があるのだろうかとは全く考えもしなかった。
 飛び込みやら落下を自分で撮りながらとは流石に思いはしなかった。中古のビデオカメラや8mmを補強して屋上から落としたことはあったが。アレやるなら重しをつけるなり重量のバランスを考えないと、あまり良い画にはならない。思い切り上から覗き込んでいる自分が映っていたりしたこともある。
 記事には『フィルム式の16ミリビデオカメラ』とあるが、これは純粋に16mmなのか、或いは16mm寄りのルックスが出せるDVX-100なのか判断に迷うところ。今時16mmなら凄いが。このニュースをメールで知らせてきた友人はボレックスだろうかと言っていたが、アリフレックス担いで水中に没したら凄いな、と。しかし、何が映っているか気になる。大島渚の「東京戦争戦後秘話」を地で行くハナシである。映画で遺書を書こうとしたとか。