パンフレット 「セキ☆ララ」「裸々裸三昧」

46)「セキ☆ララ
47)「裸々裸三昧」

 本日より公開が始まった松江哲明監督の「セキ☆ララ」は、先日前哨戦的にリバイバル上映された「あんにょんキムチ」と「カレーライスの女たち」の2本立てが補助席の出る盛況ぶりだったことからも予想はついていたが、やはり初日も満員だったようで、既に他のブログで連日のゲストも見たいので日参すると書いてあったりもしていたが、下記のように異例の連日のゲストトーク付で、無い日は「童貞。をプロデュース」が上映されるというお腹一杯ぶりで、実際知り合いもどの日に行くべきか迷っていた。できることならトークのサワリだけでもHPにアップしてほしいぐらいだ。

6/3(土)〜6/23(金)シネマアートン下北沢http://www.cinekita.co.jp/)にて夜9時よりレイトショー
■松江監督&ゲストトーク※上映後
6/4(日) 豊田道倫(ミュージシャン)
6/5(月) 伏見憲明(作家)
6/6(火) 瀬々敬久(映画監督)
6/7(水) 藤井誠二(ノンフィクションライター)
6/8(木) 北小路隆志(映画評論家)
6/9(金) 佐々木敦(音楽評論家)
6/10(土) いまおかしんじ(映画監督)
6/12(月) W杯をぶっとばせ!「童貞。をプロデュース」上映
6/13(火) 綿井健陽(ジャーナリスト/『Little Birds』監督)
6/14(水) 山下敦弘(映画監督)
6/15(木) 宮台真司社会学者)
6/16(金) 園子温(映画監督)
6/17(土) バクシーシ山下(AV監督)
6/18(日) W杯をぶっとばせ!「童貞。をプロデュース」上映
6/19(月) 女池充(映画監督)
6/20(火) 緒方明(映画監督)
6/21(水) サトウトシキ(映画監督)
6/22(木) W杯をぶっとばせ!「童貞。をプロデュース」上映
6/23(金) 松江哲明監督ラストトークショー
※当日14:30より入場整理券を配布致します
公式HP http://seki-lala.com/

 
 で、今回の上映に合わせてパンフレットと冊子が作られると聞いて、パンフ義務購入者の自分としては、これは嬉しいと。毎度渋々パンフを買わされている身としては、久々に積極的に欲しいと思えた。買うのは当然ながら観に行った際に決まっているのだが、ツレのヒトとの予定を併せ、且つ「童貞。をプロデュース」を再々見したいとなると、自ずと終盤辺りになりそうだと。しかし、そうなるとパンフや冊子は3週間近く先にならないと入手できない。直ぐ欲しい。読みたい。というわけで、吉祥寺で飲み会があったのを良いことに、少し迂回するだけと、下北で降りてパンフ買って直ぐに吉祥寺へ向かうという僅かな努力をしてみたが、それぐらいのことをしてでも入手しておく価値のある期待以上の濃厚さだった。
 「松江哲明読本 裸々裸三昧」と題された本書は800円だが、その価格に値するだけの110ページの分量に膨大に文字が詰め込まれている。先頃公開されて既に話題になっている

藤井誠二×松江哲明対談 http://ameblo.jp/fujii-seiji/entry-10012970266.html

の延長上にある対談も収められているが、これがチラ見しただけでも面白い。この二人には議題に上がっている作品だけでなく、実録犯罪映画を遡って‥それこそ「絞死刑」「少年」「青春の殺人者」などから語って欲しいと思う。
 他にはカンパニー松尾との対談、「セキ☆ララ」採録シナリオなど、充実した内容だが、阿部嘉昭の膨大な松江哲明論は、「あんにょんキムチ」から「24 Real SEX」までを網羅したものだが、個人的に「童貞。をプロデュース」は、未見ながら「ハメ撮りの夜明け(完結編)」を反復しているに違いないと思っていたので、その旨が記されていてやはりなと。
 特筆すべきは『自作解剖。』で、「あんにょんキムチ」以前の自主映画からネット公開作、果ては編集担当作、予告篇監督作、出演作に至るまでが詳細に記されている。フィルモグラフィーが掴みきれなかっただけに、一読すると、こんな作品も作っているのかと驚くことが多く、ネット公開作も10本近くあることに驚き、観ておかないと不味いんじゃないかと思われる作品も多い。まあ、ブルマやメイドのドラマもやっていることにも驚いたが。
 「セキ☆ララ」は以前に観たから今回はパスというヒトも、この冊子だけは買っておいた方が良い。映画本としても突出している。
 一方、パンフは300円だが、冊子に濃密過ぎる情報量が入っているのでその分対称的だが、こちらはプレスシートそのままなので、こんなもんか。300円だから適正価格だし。これが400円だと怒るわけです。

 ところで、パンフ、冊子共に、更にはゲストトークにしてもそうだが、本作の出演者絡みのものは一切ないのが残念で、まあ、作品の性質上女優達は、それも二人とも引退しているのだから仕方ないのかもしれないが、せめて間接的に劇場公開に関してのコメントがあった花岡じったに、ハナシを聞いてみたいと思えるのも、出演者達が魅力的に捕らえられているからだろう。それにしても、彼女達はこの作品について、或いは劇場公開されることにどういった思いを持っているのか、聞いてみたい。