樋口真嗣監督作品「新世紀エヴァンゲリオン」実写パートを「日本沈没」の予習の為に観る

「劇場版#26実写パート(特別ラッシュ編集版)」
総監督/庵野秀明     脚本/庵野秀明     特技監督樋口真嗣    出演/宮村優子 三石琴乃 林原めぐみ  関智一 山口由里子 夕樹舞子

 今更感はありつつ、「THE END OF EVANGELION」の予告篇や本編でお馴染みの実写パートの特別ラッシュ編集版が、数年前に何度目かの再発されたBOXに特典として収録されたり、クソハニ(「キューティー・ハニー」があまりにもゴミ映画だったので自分は以降クソハニと呼称している)の前夜祭などで上映されたり、何度か観る機会はあったのだが、前述の今更感で触手も伸びなかった。
 で、You Tubeにあったので、初めて観た。

End of Evangelion - Alternate Live Action Sequence Part 1

End of Evangelion - Alternate Live Action Sequence Part 2

 
ドキュメント『ラブ&ポップ』「ドキュメント『ラブ&ポップ』」でも記されている通り、この実写パートの監督は樋口真嗣で、庵野秀明は現場には立ち会ったものの、専らVX-1000でメイキング撮影に徹していた由。作品中のクレジットが特技監督となっているので判り辛いが(これはアニメーションの中での特殊技術パート=実写という意)、上記で観られる実写パートは樋口真嗣の監督作品として考えて良い。
 結局ドラマ部分は完成した作品から殆どカットされ、予告篇に使用されたのみだった。実際観てみると、確かにボツにして当然な出来で、女性の描けなさっぷりが凄い。童貞高校生の考えるOL像みたいな。16mmだからより青臭い自主映画のニオイがしてきて、ある種たまらないものがあるが、楽しみ方としては、「ラブ&ポップ」の原型として観ることだろうか。奇抜なアングルが続出するが、この撮影から半年後にインした「ラブ&ポップ」と共通するカットが実に多い。DVなら兎も角、16mmでよくやってるなと感心するようなカットも多いが、自転車のサドル接写など、駅へと向かうシークエンスは「ラブ&ポップ」でも反復されたし、OL達がたこ焼き屋に寄るシークエンスも同様に反復されている。街を俯瞰で移動したり、前半のバスルームでの奇抜なアングルも同様。
 夕樹舞子を起用したり、性的科白も散りばめてあるが、かなり辛い。
 とは言え、部屋から出て自転車に乗り出すと、途端に映画が動き出した感があり、嫌いではない。ただ、ケツの恐らく庵野ナレだと思われる呼びかけにはドン引き。公開当時の状況を思い返しても、これは引くな。