映画 「のらくら兵」「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」「白い指の戯れ」

NFC所蔵外国映画選集 フランス古典映画への誘い (東京国立近代美術館フィルムセンター
147)「のらくら兵」〔TIRE AU FLANC〕 (東京国立近代美術館フィルムセンター) ☆☆☆★★★

1928年 フランス モノクロ スタンダード 130分 
監督/ジャン・ルノワール    脚本/ジャン・ルノワール クロード・エイマン アルベルト・カヴァンカンティほか    出演/ジョルジュ・ポミエス ミシェル・シモン フリデット・ファトン フェリックス・ウダール ジャンヌ・ヘルプリング

『甦る昭和脇役名画館』(鹿島茂著・講談社・税込み2520円)刊行記念 脇役列伝〜脇役で輝いた名優たち〜

甦る昭和脇役名画館

148)「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」 (新文芸坐) ☆☆☆☆

1973年 日本 東映京都 カラー スコープ 72分 
監督/中島貞夫     脚本/金子武郎 中島貞夫      出演/クリスチナ・リンドバーグ 荒木一郎 川谷拓三 有川正治

 ラピュタ阿佐ヶ谷でも今日から特集上映『役者 荒木一郎の魅力』が始まったが、新文芸坐も今日は荒木一郎の日という、時ならぬ役者としての荒木一郎をそこかしこで観ることが出来る幸福な状況が訪れている。今年はDVDで既に「日本春歌考」が出たが、秋にようやく「893愚連隊」も発売されるので、荒木一郎を丹念に観返す良い機会だ。昨日買った「映画秘宝」の荒木一郎インタビュー(前編)でも機嫌よく語っていたことだし、中島貞夫にちょっとした予算で、松方弘樹荒木一郎であの年齢になった彼等の物語をやってくれないかな、などと妄想する。
 というわけで、今日新文芸坐で上映される2本もラピュタ阿佐ヶ谷で後日上映されるが、ラピュタの悪口を言う気は決してないし毎度見られなかった作品を見せてくれて感謝しているが、いかんせんキャパは50ないし、スクリーンも小さいので、新文芸坐の大きなスクリーンで観られるならこちらを優先すべき。
 「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」は一昨年に同じく新文芸坐での中島貞夫特集上映で観たが、当初は平日の1日のみしか上映されず、観ることができなかったが、急遽オールナイトが組まれた御蔭で観ることができ、あまりの傑作に感動した。その後、サントラで「りんどばーぐスペシャル」などを聴きながらソフト化されていない「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」をまた観たいという思いだったので、今回の上映は嬉しい。前回の新文芸坐の満席な異常な状態は、これまで全く観られなかったことに起因しているが、あの上映以降、各地で上映され、又東映チャンネルで放送されたこともあってか、或いはラピュタ阿佐ヶ谷での上映の方が浸透しているせいか、客席は6割程の入りで拍子抜けした。
 再見しても、やはりあまりにも素晴らしいので、次の「白い指の戯れ」を観終わっても帰らずに、もう一度「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」を観るという何年ぶりかに学生の頃みたいな真似をしてしまったが、それだけ魅力溢れる傑作ということだ。 
 因みに舞台となる東寺が見えるあのバラック部屋は、初見時に京都の方からもコメント頂いて詳細な場所を教えていただいたが、再見で確認したが、隣に三和銀行が見えたから、京都みなみ会館近くのココ辺りだと思う。(続く)
 

149)「白い指の戯れ」 (新文芸坐) ☆☆☆☆

1972年 日本 日活 カラー スコープ 78分 
監督/村川透    脚本/神代辰巳 村川透      出演/荒木一郎 伊佐山ひろ子 谷本一 石堂洋子 五條博
白い指の戯れ [DVD]