笑の歴史 『youtubeで観る「お呼びでない考現学」』

molmot2006-07-05


http://www.youtube.com/watch?v=s2iBpYrzrg8&search=%E3%81%8A%E5%91%BC%E3%81%B3

 これ作ったヒト、なかなか凄い。
 小林信彦が、80年代に「オレたちひょうきん族」「今夜は最高」「天才たけしの元気がでるテレビ」などで、お呼びギャグやガチョーンが安易に再使用されていることを当時批判していたが、これはクレージー・キャッツのテレビ番組を顧みることが簡単ではない状況の中では、なかなか真に理解され辛い。それは現在でも同様で、形骸化されたギャグの表層的な部分のみが継承されるという事態を生んでいる。だから、今でも谷啓が出てくれば、ガチョーンに必要な忍耐部分を抜きにしてガチョーンだけやってくれ、などということになる。
 それを実践的に観ることができるのが上記動画で、「シャボン玉ホリデー」と、85年の結成30周年特番「アッと驚く!無責任」でのドリフターズとのコント、「クレージー黄金作戦」「今夜は最高」「ひょうきん族」、そして85年のリメイク版「シャボン玉ホリデー」、ドラマ内の再現パートとして「シャボン玉が消えた日」「ザ・ヒットパレード」でのお呼びギャグが夫々引用され、植木等とそれを真似た、又は演じた、加山雄三タモリ関根勤田口トモロヲ陣内孝則らのお呼びギャグが対比されている。
 個人的にはリアルタイムで植木等のギャグに接していた訳では当然無く、せいぜい「かくし芸大会」で、ドリフとクレージーのカラミを幼少時に見ていて覚えたぐらいだろうか。具体的記憶としては、7歳の頃に見た「木曜スペシャル」のリメイク版「シャボン玉ホリデー」を観た記憶が鮮烈で、その時一度しか観ていないが、かなり覚えているし、クレージーが好きになった元になった気がする。
 そういう意味でも上記動画は遠い記憶の補強のとして有益だったし、実際植木等以外には全く成立しないことが明白だった。「シャボン玉ホリデー」最盛期でも、植木が映画撮影などで休むことが多く、その際にハナ肇などが、お呼びギャグを代行しても全く駄目だったというが、よく理解できる植木等の偉大さを伝える動画になっている。

 
 因みに同じくyoutubeから参考動画として「シャボン玉ホリデー」を幾つかまとめたモノを。
http://www.youtube.com/watch?v=joPIQuEwfMY&search=bubble%20holiday
 どーも海外からのモノらしく、シャボン玉もクレージーも植木も日本語英語共に無く、“Bubble Holiday”としか書いていないから検索に引っ掛かりにくいが、例の有名な“埼玉県をかっぱらってベトナムに売りつける計画”も入っているので未見の方には良いかと。