彩プロ、武智鉄二監督全10作品を晩秋に特集上映

molmot2006-08-21

 今年の晩秋は、いまおかしんじポレポレ東中野での特集上映もあるようだし、更には武智鉄二もまとめて観ることができるようだ。

 彩プロは、「美の改革者 武智鉄二全集」と題した特集上映を晩秋にシアター・イメージフォーラムで開催、全10作品を上映する。
 上映するのは、在日米兵のスキャンダルを描き猥褻裁判を引き起こした「黒い雪」(65年)、谷崎潤一郎の戯曲の映画化でエロスの極限を追求して大ヒットした「白日夢」(64年)、そのリメイクでハードコア撮影で話題となった「白日夢」(81年)など。

 といって、自分は「黒い雪」しか観たことが無く、すんごい愚作と思ったので持ち上げる気もないが、1本しか観ずにキメウチするのは最低だから、他の作品も観たかっただけに良い機会だと思うので楽しみだ。

1963.05.15 日本の夜 女・女・女物語  佐野芸術プロ
1964.06.21 白日夢  第三プロ
1964.08.12 紅閨夢  第三プロ
1965.06.09 黒い雪  第三プロ
1966.01.14 源氏物語  源氏映画
1966._._ 幻日
1968.02.10 戦後残酷物語  武智プロ
1968.09.07 浮世絵残酷物語  武智プロ
1973.02.28 スキャンダル夫人  第三プロ
1981.09.12 白日夢  武智プロ
1983.02.19 華魁  武智プロ=小川プロ
1987.02.07 白昼夢2
 

 コレが全作ということになるらしいので、全10作品というのは、ここから2本引いた作品が上映されるということなのだろう。たぶん。「日本の夜 女・女・女物語」という作品はドラマではなさそうなので、製作年度からして上映はないのではないか。
 佐藤慶愛染恭子と本番やるリメイク版の「白日夢」はビデオ化されているものの、オリジナル版を観てから見ようという生真面目さ(今村昌平版「楢山節考」を観るのは、木下恵介版を観てからというのと同様)で未見のまま。近作の「華魁」などもビデオ化されているようだが。
 個人的には、初期の「白日夢」「紅閨夢」が観たかった。又、浅丘ルリ子芦川いづみが出ていることが驚きの、日活で撮った「源氏物語」、「ユメ十夜」以前にもあったんだと驚く夏目漱石の「夢十夜」を原作にした「幻日」、タイトルに惹かれる「戦後残酷物語」「浮世絵残酷物語」などが一度観たかった。
 ピンクと言って良いのか、大島渚の言に従えば、『武智映画』と称される諸作を観るまたとない機会なので、詳細を期待して待ちたい。
 大島と言えば武智鉄二の娘、川口小枝を主演に使ったのが「白昼の通り魔」で、今はと言えば、こんなんらしい