「犬神家の一族」公開に合わせた動向報告その1

 年末の公開が近づく秋口から、諸々これを機に的なモノが出てくるようだ。「金田一耕助の事件匣」DVDボックス再発売とか、「いとこ同志」DVDボックス発売とかは既に持っていたり、CSで観たから良いとして(原作も大幅に改変されていることだし)、驚いたのは「幽霊男」と「吸血蛾」のDVD発売で、まあCSで放送された際に観ているので驚愕のレア作が!というわけではないが、作品がというよりも、観たことに意味のある作品ではあるものの、ソフト化なぞされないと思っていただけに嬉しい。「吸血蛾」の監督は中川信夫なので、そういった興味から入っても良いと思う。例によって高いし作品として優れているわけでもないが、やはり欲しい。11/23同時発売。

 角川は大映を吸収したことだし、かつて突然ビデオが出て驚いた「毒蛇島綺談・女王蜂」と「蝶々失踪事件」のDVD化を望む。
 「金田一耕助の事件匣」再発売は、値段が下がらなかったのが既に持っている身としては幸いなぐらい。

  東宝がこうも金田一モノを押すからには、やはり何かと遅れ気味の東映にも出してもらいたいものだ。斉藤光正の「悪魔が来りて笛を吹く」は当然として、高倉健の「悪魔の手毬唄」、千恵蔵の現存が確認されている「三本指の男」「獄門島」「三つ首塔」あたりを、今回の機に乗じて出して欲しいものだ。

 因みに市川崑のDVD関連では、「夏目漱石のこころ」が11/10に発売になる。ビデオでも出ていた作品なので驚きはないが、DVDになるのか不安だったので、どういう影響かポンと発売されて良かった。この流れに乗って、市川崑も参加している「ユメ十夜」公開前に合わせて「吾輩は猫である」などもDVD化されると良いのだが。戦前の山本嘉次郎版に比べて評価の低い市川崑の「猫」だが、自分は明治期の文化人の怠惰な日常を市川崑らしい切り取り方で見せたあの作品が大好きで、数年前にフィルムセンターでかかった時は、「犬神家の一族」共々フィルムで観ることが出来て幸いだった。

幽霊男 [DVD] 吸血蛾 [DVD]  金田一耕助の事件匣 市川崑×石坂浩二 劇場版・金田一耕助シリーズ DVD-BOX 夏目漱石のこころ(新潮文庫連動DVD)