岩井俊二×市川崑で『市川崑物語』


 以前予想した通り市川崑ドキュメンタリー映画の監督は岩井俊二だった。石坂浩二の髪型の変化から金田一やるぞと昨年当てた時同様、誰も何も言ってくれないので、我ながらよく当てたと賞賛しておく。
 『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を初めてテレビで観た10数年前、一見して市川崑の絶大な影響下にあると思った。
記事中気になったのは、


数年前まで、市川監督との共作映画の企画を進めるほど、敬愛する大先輩とのコラボレーションを熱望していた。

http://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/p-et-tp1-20061101-111190.html

 という件で、それが言われていた金田一ものなのか別企画なのか。  何にしても、これまでせいぜい『どら平太』公開時のキネ旬の対談か、NHK市川崑特集でのインタビュー等、ごく限られた中でしか市川崑との接点のなかった岩井俊二市川崑の存命中にこういった企画を実現できたのは望外の喜びで、個人的にはこのまま『本陣殺人事件』の共同監督でも何でもやってしまえという思いがある。

 ついでに予想しておけば、この『市川崑物語』というドキュメンタリーにナレーターを起用するなら、市川、岩井両作に出演した奥菜恵ではないかと。奥菜の『少年たちは花火を横から見たかった』の出演を加味してもそう予想したのだが、どうだろうか。




市川崑監督を岩井俊二監督が撮る

市川崑監督(左)にインタビュー取材を行う岩井俊二監督  市川崑監督(90)の生きざまを描くドキュメント映画を岩井俊二監督(43)が製作することが10月31日、分かった。岩井監督が脚本・編集も手掛ける「市川崑物語」で、幼少期から現在に至るまで、秘蔵写真と文字で構成する異色の試み。東京・新宿ガーデンシネマのこけら落とし作品として、12月9日から劇場公開される。

 「ラブレター」「スワロウテイル」などで知られる岩井監督は市川監督作品のファンだった。76年の「犬神家の一族」を「自分の映画作りの教科書」と心酔。「岩井美学」と呼ばれる映像美や編集方法に大いに影響を与えていた。

 映画監督が映画監督の人生を映画化する異色の試みは「犬神家の一族」(12月16日公開)の30年ぶりの再映画化がきっかけだった。岩井監督は、自分をよく知る関係者から「撮影現場を記録してみては」と提案された。数年前まで、市川監督との共作映画の企画を進めるほど、敬愛する大先輩とのコラボレーションを熱望していた。そこで単なる記録ではなく、市川監督という人物に迫る作品として取り組むことを決意した。

 今春から撮影を開始した「犬神家の一族」の現場に足を運ぶと同時に、膨大な資料を集め、インタビューを数回に分けて行った。岩井監督は「年の差は関係ない。この世の中で1番話の合う人に出会ってしまった。そんな気がした」。生きざまに深く触れることでさらに共感を覚えた。

 「市川崑物語」は映画監督デビューする前のアニメーター時代など知られざる秘話も紹介。名作ドキュメンタリー「東京オリンピック」や「金田一耕助」シリーズ、「細雪」など同監督作品の映像も登場する。岩井監督は市川監督の世界との出合いも描くつもりだ。

 岩井監督は02年、日韓W杯期間中の日本代表に密着した映像を編集・構成した「六月の勝利の歌を忘れない」を製作。異色ドキュメンタリーとして注目された。市川監督は今回の作品について「岩井さんらしい構成。まことに不思議な興味のある作品です。どう仕上がるか興味津々」と完成を楽しみにしている。


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