『実録・連合赤軍 「あさま山荘」への道程』クランクイン

 既に、10日にインして、公式サイトのブログで日々の撮影の進展が記されているが、製作発表&キャストが発表になったので、もう少し大きく取り上げられたらそれに併せて書こうと思っていたが、やはり題材的にそう大きく取り上げられないようだ。
 因みに永田洋子を坂井真紀が演じると間違われがちだが、坂井が演じるのは赤軍派で粛清された遠山美枝子。
 若松孝二と坂井真紀の関係性はやはり『青春☆金属バット』からということだろう。

 とりあえず、『鬼畜大宴会』に全く及ばなかった『光の雨』や『突入せよ!「あさま山荘」事件』より良い出来になることを祈りつつ、これに感化されて長谷川和彦の『連合赤軍』が動けば理想だが、まあ、こんな時代にそれが可能かどうか。若松孝二が以前イベントで言っていた、団塊の世代が定年になれば暇になって連赤映画が出来れば観に来るだろう、という発言は、ピンク映画に団塊の世代が帰って来るだろうと言うのと同じくらい楽天的な発言だとは思うものの、キワモノでも何でも良いから当たって欲しい。来年は『幽閉者 テロリスト』『実録・連合赤軍 「あさま山荘」への道程』が公開されるのだから、今の内に赤軍映画の系譜として、『天使の恍惚』『性賊 SEXJACK』辺りから、恐らく存在するであろう事件を取り込んだ未知のピンク映画等も含めて発掘を期待してしまう。



映画:連合赤軍、新たに映画化 「権力側」でない作品に−−若松孝二監督 /東京]

 1971〜72年にかけて、集団リンチ殺人や「あさま山荘」事件を引き起こした「連合赤軍」を描く映画が製作される。「水のないプール」などで知られる若松孝二監督がメガホンをとり、女優の坂井真紀さんも出演する。製作発起人には、作家の船戸与一さんや社会学者の宮台真司さんらが名を連ね、若松監督は「事件当時に若者だった団塊の世代の人たちや今の若い人に見てもらい、あの事件が残したものを考えてほしい」と話している。
【澤圭一郎】

 ◇映像、記事交え再現−−来秋公開

 連合赤軍は71年、共産主義革命を武装闘争で実現することを目的に、大学生らを中心に結成された。内部ではメンバーに政治的な反省を促すという名目で「総括」と称する集団リンチを加え、12人を殺害し山中に埋めた。逃走したメンバーが、軽井沢にあった民間企業の保養所「あさま山荘」に管理人を人質に立てこもり、警察と銃撃戦を展開、社会に衝撃を与えた。

 映画は「実録・連合赤軍あさま山荘』への道程(みち)」と題し、当時のニュース映像や新聞記事も交えてメンバーのやり取りを再現。集団リンチやあさま山荘事件に至った経緯も描き出す。冬場の奥多摩宮城県内で撮影し、山中アジトやあさま山荘もセットなどで再現する。撮影は11月から始め、来秋には公開する予定だ。

 若松監督は関係者にも取材し、2年前から構想を温めていた。「権力側からでない作品を作りたいと思った」と動機を説明した上で「連合赤軍は正しくなかったが、なぜこのような事件を引き起こしたのかをもう一度考え直したい」と話す。同事件は、警察側から描かれた映画は公開されているが、山荘内部のメンバー側から描いた作品はこれまでないという。

 製作費は、若松監督の自宅などを担保にしてねん出し、さらに足りない分は発起人らによる製作委員会が一般の寄付で集めるという。

製作委員会03・5308・0830 http://www.wakamatsukoji.org/

毎日新聞 2006年11月1日





■追記(2006.11.16)
 で、上記に書いたものを流用した中年の男は、『実録・連合赤軍』をこう捉える。
http://diary2.cgiboy.com/0/shittaka/index.cgi?y=2006&m=11#16