パンフレット 『百年恋歌』『マッチポイント』

94)『百年恋歌
95)『マッチポイント

 各600円なので安心するが、『百年恋歌』のパンフは充実していて満足できる仕上がりになっている。シナリオ採録水谷俊之とあるのは、あの水谷俊之なのだろうか。
 中原昌也が寄稿した『失われた映画の「官能」の復活』というのが素晴らしい。久々にパンフの批評で当たりだなと。本来ここは蓮實重彦枠なわけだが、代理というわけではないのだろうが、見事に継承されたものになっている。<どうにもならぬ、絶望的に過ぎ去った時間を惜しむために、われわれは映画を観るのであろう。>から始まる『百年恋歌』における官能を綴った文にも、官能と煽動が満ちていて緩々と流れていく『百年恋歌』の感動を思い返した。