雑誌 『キネマ旬報 2007年 1月上旬号』『映画秘宝 2007年 02月号』

101)『キネマ旬報 2007年 1月上旬号』 キネマ旬報社
102)『映画秘宝 2007年 02月号』 洋泉社

キネマ旬報 2007年 1/1号 [雑誌] 映画秘宝 2007年 02月号 [雑誌]
 最近は、20日キネ旬発売日に態々出向くのが面倒になって、翌日に『映画秘宝』と併せて購入するようになったのは、新作旧作のフォローも含めて秘宝が正統化してしまったからに他ならない。シネマヴェーララピュタ阿佐ヶ谷、フィルムセンターの旧作上映をキネ旬はフォローしてくれない。
 102)『追悼のざわめき』のDVD化の噂や、『由美香』DVD発売記念の特集が充実していて、『カレーライスの女たち』『南の島にダイオウイカを釣りにいく』も含んだものになっている。
 個人的には『市川崑物語』についての岩井俊二インタビューが重要で、例の共同監督作品として企画が進んでいたという『本陣殺人事件』について、突っ込んだ内容になっている。岩井の手による初稿が完成していたこと、原作ではそう多く死なないものが、かなりバタバタと死ぬ内容になっているらしいので、岩井なりの改変が加えられたであろうこと。岩井が監督した犬神パロディCMのビデオを市川崑に初対面の時にあげたことなど、諸々重要な内容を含んでいる。こうなるとどうしても実現して欲しいと思えて仕方ないが、正に夢のような企画だけに実現しないのかとも思う。『犬神家の一族』の興行具合を聞くと、では次は『本陣殺人事件』とは、なかなか行かないように思えるが、むしろ辺に大当たりし過ぎると『悪魔の手毬唄』だ『獄門島』だと言い出しかねないので、地味な『本陣殺人事件』の実現は全くないとは思えないし、祝祭的再スタートの『犬神家の一族』の次に、市川崑×岩井俊二共同監督の『本陣殺人事件』が実現すれば、両監督にとってもこれほど幸福なことはないと思う。