DVD 『変態家族 兄貴の嫁さん』『映像作家・佐藤輝の世界』

molmot2006-12-25

152)『変態家族 兄貴の嫁さん』 (周防正行
153)『映像作家・佐藤輝の世界 美空ひばりから尾崎豊まで』 

変態家族 兄貴の嫁さん [DVD] 赤塚不二夫のまんがNo.1シングルズ・スペシャル・エディション
 152)アップリンクDVD30%OFFに加えて更に10%引きで二千円程で買えた。そういえば今年、シネマヴェーラで初めてフィルムで観ることができた。来年の痴漢映画の電車内描写に異様に期待してしまうのは、ピンク出身だけに過度な期待をしているからか。
 153)某映画ライター氏へサンタさんが運んでいたプレゼントのストックが運搬途中に天から落ちてきて、見事に我が家の前に落ちてくるという幸運に恵まれる。で、開けてみると、『映像作家・佐藤輝の世界』が!!と言うわけで、ひたすらの感謝を改めて。本当にありがとうございます。幸福な年末を迎えることができそうです。佐藤輝を連呼しておいて良かった。『激情NO.1』も連呼しておくと、そのうち観れるに違いない!
 とりあえず再生してみると、まさかこんなにも濃すぎる内容とは思いもよらず、せいぜいダイジェスト的に各作品が数十秒見れるだけかと思っていたら、各番組にそれなりの尺を使って長めに紹介しているので、僅かにでも見たかった数々の伝説の番組の一端に触れることができた。
 詳細は今度じっくり書くが、まずは第一夜分のテレビ番組における暴走史に呆然とする。『ナイトUP』の完全にキチガイ沙汰な映像に開いた口が塞がらず、『私がつくった番組』では、赤塚不二夫の『激情NO.1』もかなり長く紹介されているので、お陰で例の赤塚が番組冒頭に歌う『夕日』もほぼフルで再見できて感動する。自分が何度も書いた「音頭系のオバハン数百人を従えて、赤塚が着流し姿で♪キンキンキラキラ夕日が沈む〜と踊り狂う様」というアレを再見できて、とても幸福な気分になった。以降は短くではあるが、中山千夏の『自衛隊賛歌』も見れた。しかし、初見時も異様に思えたが、改めて部分的に再見しただけでも、スィッチングのせわしなさは異様で、それもクレーンで上下している最中の映像へせわしなく切り換わり、この番組のナレーションによると(しかも寺尾聰!)、佐藤輝自らスィッチングしているらしく、実相寺といい、自分でスィッチャー卓から離れないDは危ないな、と。
 『激情NO.1』から後は、三上寛とクロマキーでの赤塚らとの狂気の『春よ来い』や、セーラー服姿の赤塚がスカートをめくり上げると、股間にクロマキーで高信太郎の顔が合成されてコメントしている姿など、この番組のめぼしい場面がかなり観る事が出来た。エンディングの、多すぎる紙吹雪の中、音頭を踊り狂う姿も入っているし、今回気付いたが、指揮台に金ピカな服で立つ三上寛を確認できた。で、この後、映像は入っていなかったが、この場にキャロルが乱入してきて、『ルイジアンナ』を歌うのだが、実際に観ているにも係わらず、自分で信じられない展開だと改めて思う。
 ともあれ、友人などに、こーゆー番組があってと話しても、全く信じてもらえなかったので、これで大丈夫じゃないかと。
 『私がつくった番組』からは、他にも美輪明宏篇も入っており、あの<『オーソレミヨ』を高らかに歌い上げる美輪のバックに何故か50人程オバハンが壇に座っており、しかも全員スイカを食っているのである。で、カメラは各オバハンが必死でスイカを食っている様をインサートで寄る>というやつも再見できて嬉しかった。
 現在の赤塚、美輪のインタビューも入っているのだが、赤塚は当然としても、美輪も、佐藤輝の才能を絶賛し、番組をとても楽しそうに振り返っているのが印象的で、変なことやらされて迷惑だったという風ではないのが良い。
 加藤和彦篇の、例の30分間ローラースケートで回ってるだけというやつも僅かだが見ることができた。
 そして、最も観たかった、伝説の放送中止になった『遠くへ行きたい』には茫然とした。藤竜也を迎えてのただの『遠くへ行きたい』の筈が、完全にPVと化していて、こんな『遠くへ行きたい』見たことないし、そりゃ放送中止になるわと。全篇曲バックに藤が走りながらモノローグを呟いたり、ハイスピード撮影で砂浜を歩いている姿を逆光で捉えたり‥しかし、ここで映し出されている藤竜也は、彼のフィルモグラフィーの中でも屈指の素晴らしさではないだろうか。全篇を見たいと猛烈に思てしまう。
 ここでフラフラになって続きは後日ということにしたが、それにしても、BSがこんな特集を組んだことも凄い。
 佐々木昭一郎の全作放送を実現させた日本映画専門チャンネルが次にやるべきは、佐藤輝の特集だ。