『この世の限り』

『この世の限り [Maxi]』(椎名林檎×斎藤ネコ×椎名純平) 

この世の限り

1. この世の限り
2. 錯乱(ONKYO ver.)
3. カリソメ乙女(HITOKUCHIZAKA ver.)

 一応『幸福論』から買ってるんで義務的購入。流石に惰性購入もアルバムはまだしも、シングルは面倒になってきた。とりもなおさず林檎自体の質の低下で聴くのが段々辛くなってきたからだが。事変のメンバーチェンジを経て下降気味になってきたのでソロ活動に戻るのかと思いきや、来月出るアルバム『平成風俗』の収録曲の大半は旧作のカヴァー。それをまた例によって初回限定盤の、つまんないものが付いて来るやつで買わねばならず辛いところ。更に同時発売でDVD『第一回林檎班大会の模様』が出るんでそっちも買わねばならず面倒くせえ。同じ限定盤でも来月は、木村カエラの3rdアルバム『Scratch』が出るが、コチラはPV集のDVDが付くんで遥かに楽しみなのだが。
 椎名林檎は、4年前のラフォーレミュージアムでやってた『林檎博』で手書きのノートとか眺めて確信したが、10代後半に能力を一時期的に飛躍的に伸ばす子で、その時期が過ぎてからがやはり辛い。アルバムで言うと『勝訴ストリップ』まででストックを出し切っている。デモ集とか未発表音源を聴いていても、10代後半に溜め込んだ曲は完成度にバラつきはあれど、とめどなく溢れるものを出しまくっている感はよく伝わる。中曽根を皮肉った未発表曲『海軍ポリティシャン』みたいな乱暴な曲であっても、ともさかりえに提供した『カプチーノ』や、広末涼子に渡した『プライベイト』の完成度を聴いても。
 以降のあるラインを維持したまま平行状態が続く時期に入るまでには、楽曲が揃わなくて急遽カヴァー集ということになった『唄ひ手冥利〜其の壱〜』のようなものをリリースしなければならない状況に追い込まれてもいたわけだが。
 『平成風俗』にしたって、当初は全曲新曲の予定ではなかったのかと想像するが‥。

 『この世の限り』のPVはモロにビョークっぽくって、これまた楽曲共々イマイチ感が漂い残念なところ。