『エロ将軍と二十一人の愛妾』

)『エロ将軍と二十一人の愛妾』 (シネマヴェーラ渋谷) ☆☆☆★★

1972年 日本 東映京都 カラー スコープ 92分
監督/鈴木則文    脚本/掛札昌裕 鈴木則文     出演/池玲子 林真一郎 渡辺やよい 三原葉子 女屋実和子 杉本美樹 


 仕事終わりに、何を見るかを考えて、今日で終わるアルトマンの遺作に行くべきだったが、やはり則文祭の楽しさに、2本観るのは時間的に無理にしても、最終回の『エロ将軍と二十一人の愛妾』だけでも、ちょっと引っ掛けようと気軽に入ったら、これが立ち見寸前で、かろうじて端の席を確保した。
 『エロ将軍と二十一人の愛妾』なんか前もやってたし、ソフト化もされているし、そう観るのが困難な作品でもないのに何故か。
 結局満席立ち見も出る中で上映されたが、上映中に2回ほど後方からフラッシュを炊いて撮影した奴が居た。何やら言い争う声がして、慌しく走り去って行くような気配を感じたが、帰りがけに受付にコトの顛末を言いつけている奴が居たのでそっと近付いて聞き耳を立てていると、男が写真を撮ったので注意したところ走って逃げた、というだけのことらしい。上映中にフラッシュ炊いて写真撮る奴って、実は初めての遭遇で、これまでアイドル映画やレア映画やレアな裸が出てくる映画もケッコー観に行ったが、まるで経験がない。経験してみると、単純に迷惑なハナシで、怒鳴りそうになったが、イマドキあんなことする奴いるんだなと。それよりも何が目的だったのかが気になる。鈴木則文を、『エロ将軍と二十一人の愛妾』を、こんなにも客が観に来ていることに感動して撮ったという説を取りたいが、フラッシュが炊かれたのがカラミのシーンだったので、まさかそっち目当ではと考えて、しかし、ビデオでもネットでも直ぐに観れる作品だし、9月にはDVDも出ることだし、そんなアナログな目的で撮ったとはとても思えないし…、などと考えながら、続けて『サンシャイン2057』を観ようとしたが、前日から寝てないので場末の2本立てで観る方が気楽に楽しめそうだと判断して帰る。