書籍『伊丹十三の映画』5/25発売


 いよいよ伊丹十三再評価の機運が盛り上がってきた。もっとも同時期に伊丹十三記念館がオープンするのに合わせてのことだろうが、新潮社は、エッセイストとしての再評価から『ゴムデッポウ』上映を経て、ようやく映画監督しての伊丹十三を特集する。
 関係者の証言を集めた伊丹映画の特集本を伊丹の生前から待っていたので殊の他嬉しい。

伊丹十三の映画』  「考える人」編集部/編


「お葬式」「マルサの女」など、「伊丹映画」の全貌に迫る。ノンフィクション作家を凌ぐ取材調査。不要なト書きのない完璧な台本。台詞の言い替えを許さない演出。小道具、衣装へのこだわり。役者、スタッフ、関係者の熱い証言で「映画監督・伊丹十三」が蘇る。

発行形態 : 書籍
判型 : A5判
頁数 : 272ページ
ISBN : 978-4-10-474902-7
C-CODE : 0095
発売日 : 2007/05/25

2,100円(定価) [発売予定]


■資料映像
伊丹十三出演作
金瓶梅
1968年 日本 監督/若松孝二  脚本/大和屋竺   出演/真山知子 伊丹十三 桜井啓子 宝みつ子 若松和子 

 現在からはあまり語られることのない作品で、伊丹十三若松孝二大和屋竺の作品に出ていたということを意外に感じるヒトがいるかもしれないが、大島渚の『日本春歌考』を間に置くとその距離は縮まるだろう。
 日本では滅多に上映されることもなく、自分が観たプリントも退色した酷いものだった。ところが海外ではDVD化されている。これは、この作品自体が国内では興行的には不発だったものの、香港などでは記録的大ヒットとなったそうで、海外でDVD化されているのはそのためである(但しそのDVDは英語吹き替えのみ収録なのでオリジナル音声は聞けない)。又、それまでピンクチェーンのみの活動だった若松孝二が初めてメジャー映画を手掛けたことでも記録される作品で、一応製作は別会社を通しているが、松竹作品である。