「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.3」オリジナル予告編公開

 来月に迫った「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.3」の予告編が公開された。今回は国映ではないので、これまで同様松江監督が手掛けるのかどうかと思っていたが、引き続き続投とのことで、自ずと予告編監督・松江哲明の最新作としても観る事ができる。
 これまでの国映をメインにした、既に知ってるヒトは知っている監督を取り上げたものと違って、今回は世間的にはまだ余り知られていない竹洞哲也の特集なので、予告編では、竹洞哲也という監督の紹介と、プログラムピクチャーとしての王道を行く竹洞組の作品群に相応しい初夏の柔らかい空気感漂う中での映像になっていて、ニナザワールドのテーマ曲と共に心地良い。
 個人的には、最近ますますその動向が気になるピラニア俳優・松浦祐也を松江哲明が撮るというだけで喜ばしいが、この予告編、後半は松浦祐也の独壇場になっていて、今日は昼間から『女引越し屋 汗ばむ谷間』の松浦祐也、『ジーンズブルース 明日なき無頼派』『資金源強奪』の川谷拓三を連続で観ていると、演技の志向が同じなので、殆どゴチャゴチャになっていた上に、この予告で犬に追われて逃げる松浦を観ると、より混同具合が激しくなる。大体、先日『プルコギ』を観ていて、あ、松浦祐也出てるんだという1シーンがあって、やってるなという芝居をしていたのだが、エンドロールを眺めていると松浦の名はなく、代わりに仁科貴(拓ボンの長男)の名があって呆気にとられた。

 ちなみに自分は竹洞哲也の作品は、『欲情ヒッチハイク 求めた人妻(舞う指は誰と踊る)』『悩殺若女将 色っぽい腰つき(恋味うどん)』『不倫同窓会 しざかり熟女』と、今日観た『女引越し屋 汗ばむ谷間』しか観てないのだが、『悩殺若女将 色っぽい腰つき(恋味うどん)』は、まあまあ良いかなという程度の評価でしかなかったのだが、『女引越し屋 汗ばむ谷間』で初めて和解できたというか、竹洞作品で自分が好きな系統が分かってきた。どうも若い世代のハナシが好きなようだ。竹洞作品を多く観ている方からは、『女引越し屋 汗ばむ谷間』は不評なようだが、確かに中途半端に思う箇所や、チカッチ!がどうにもならないとか、ギャグも抑えて、松浦祐也も相当抑え込まれているが、そういう作品だからこそ演出が剥き出しになって露呈しているので、今まで計りかねていた部分が見えたように思った。そうなると、俄然未見作で今回観れると楽しみにしていた『森鬼(乱姦調教 牝犬たちの肉宴)』と『思い出がいっぱい (美少女図鑑 汚された制服)』への期待が高まる。
 それにしても、こういう機会が無ければ、ピンク大賞で上位に入っているんだなという認識程度だけで、相変わらず国映の作品ぐらいはチェックしておく、というだけでしか現在のピンク映画と接することがなかったのではないかと思う。 そういう意味でも今回の特集は、存在を知りながら積極的に観ようとしなかった作品群の中に確かに育まれていた多様性を見つける良い機会になると思う。



構成・編集/松江哲明
テーマ曲:ニナザワールド「Life is Love」

R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.3〜「竹洞組」の冴えたやり方。

◎2007.7.7(土)〜7.13(金)連日21:00〜限定レイトショー!



【スケジュール】
7/7(土)『舞う指は誰と踊る』『短距離TOBI-UO
7/8(日)『舞う指は誰と踊る』『短距離TOBI-UO
7/9(月)『森鬼』『短距離TOBI-UO
7/10(火)『森鬼』『短距離TOBI-UO
7/11(水)『思い出がいっぱい』『恋味うどん』
7/12(木)『思い出がいっぱい』『恋味うどん』
7/13(金)『思い出がいっぱい』『恋味うどん』

※公開期間中、スタッフ・キャストによるイベントを実施!(当サイトにて随時お知らせしてゆきます。

【料金】
前売鑑賞券:1300円|当日券:1500円(女性割引、リピーター割引:1300円)

http://r-18.cocolog-nifty.com/

 ちなみに、R18とは関係ないが、『たまもの』の予告編もYOU TUBEに上がっているので、ヘーっと思っていたら、これ予告ばっか上げてる奴が勝手にやってるようで…でもまあ、自分が予告編監督・松江哲明を意識したのは、この予告編からなので貼ってしまおう。
 それまでにも『あんにょんキムチ』や『発狂する宇宙』の予告も印象に残ってはいたものの、誰が作ったとまで興味は湧かなかったが、『たまもの』は違った。その理由は予告編を観れば分かる。それに、3年前の秋、アップリンクハマジムのイベントが行われた際に、松江哲明林由美香がこの予告を流した後にトークしていたのも印象を強めた一因だと思うが、ドキュメンタリー監督だと思っていた松江哲明が、予告編監督としても認識しなければならないと思った最初の作品だった。