映画監督・エドワード・ヤン死去

http://www.asahi.com/obituaries/update/0701/TKY200707010239.html
 結腸がんによる合併症のため死去、59歳。

 唐突な印象と、もう7年も新作が無かったので、どうしているんだろうかと今年に入って偶々中古ビデオで『恐怖分子』や『嶺街少年殺人事件』を買い求めた際にも思っていたので、長年病気を患っていることは迂闊にも知らなかった。
 丁度、90年代半ばのミニシアター系作品も観るようになった中高校生の頃、エドワード・ヤンの名前は既に燦然と輝いていた。『エドワード・ヤンの恋愛時代』を観たのが初めてだったか。『恋人たちの食卓』や『恋する惑星』なんかと同じように三宮のアサヒシネマで観ていた。『嶺街少年殺人事件』は、魅力的セレクションで映画を教えてくれた読売テレビの『シネマダイスキ』の枠で放送されたのを録画して観たのもこの頃だったと思う(サイトで調べたら第33回の「今日的亜細亜電影博」での放送だった。記憶では93年か94年か)。
 公開が遅れた『恐怖分子』や、『カップルズ』と観てきて、90年代後半には、もはや忘れているヒトも多いだろうが、エドワード・ヤン×スタンリー・クワン×岩井俊二が組むY2Kというプロジェクトがあった。当初は三人のオムニバス映画という企画だったようだが、その後、夫々長編を作るということになり、岩井がタイペイを舞台に<北京出身で香港で活躍するカリスマアーティスト・リリイと、タイペイに住む少年の物語>という『リリイ・シュシュのすべて』を撮ると発表されるも進展せず、『番犬はほえない』だか、噛まないだか忘れたが桃井かおりが出るという作品の企画が上がったりもしたがこれも実現せず、エドワード・ヤンが『ヤンヤン 夏の想い出』を早々に完成させ、この作品の予告編を岩井が手掛けたのが、Y2Kの名残となった。
 余談だが、結局内容が変更になって別企画として『リリイ・シュシュのすべて』は完成したが、エドワード・ヤン×スタンリー・クワンと組むという機会を棒に振った辺りから、岩井俊二への不信が強まり、何せそれが駄目になったからとやっているのが『式日』に主演したり、『花とアリス』を作ったりしているのだから、そう思いたくもなる。
 エドワード・ヤンにハナシを戻すと、やはりもっと新作が観たかったと、遺作となった『ヤンヤン 夏の想い出』は東京に来ていた際にシネマライズで観たんだったとか思い出しながら思う。