『温泉みみず芸者』

molmot2007-07-26

映画×温泉 湯けむり日本映画紀行
204)『温泉みみず芸者』 (ラピュタ阿佐ヶ谷) ☆☆☆★★★

1971年 日本 東映京都 カラー スコープ 分
監督/鈴木則文    脚本/掛札昌裕 鈴木則文    出演/池玲子 松井康子 杉本美樹 小池朝雄 山城新伍 名和宏


 暑いし、仕事も煮詰まって進みが悪いので、今日はラピュタ阿佐ヶ谷で『温泉みみず芸者』やってんなと思うと、ここは鈴木則文を観た方が能率が上がるなと判断して近くのバス停からミナミへ下って阿佐ヶ谷へ。車中は平日の昼間なので数人のジジババしか乗ってないが、妙な雰囲気のケッコー若いのに風貌はババアという方が、吊革から吊革へとせわしなく動きながら、盛大に意味不明の言葉を一人で20分に渡って絶叫するので大いに閉口する。運転手がマイクで「静かにしてください。分かりますか?」を8回言っても止まらず。しかし、駅の側の停留所から十数人乗り込んでくると、スッと後方の席に座って独り言を止めたのは不思議だった。一定の人数を超えると抑えが利くようになるのだろうか。暑くなってくると妙な方が増えるもので、別日には、路地に立っていた見知らぬ老人からいきなり、「キミは古賀メロディーを知らないんだろ?」と言われ、知らんけど、だから何やねんという思いを抱き、そのまま定食屋で食事したら、デカイ豆腐が付いているので間違いかと伝票を見たら、注文した定食以外は書いてないし、豆腐も付くのかと思って食べ終わり、勘定の段階でババアが「豆腐あったでしょ?」「ん?ああ…」「食べた?」「うん、食べた」「じゃあ豆腐代も追加で」と言われ、いやいや勝手に間違えて付けて何で金とるねんというハナシになり、ババアはあくまで食べてしまったからには払えと言い出すので、店長呼べと粘って何とか払わずに済ませるが、ワザと追加して金とってんじゃねえかと思うような出来事であった。

 というような意味不明な出来事も『温泉みみず芸者』を観て幸福な気分に浸っていれば何もかも忘れて、ひたすら楽しい。ラストの風が気持ち良いわという池玲子の科白に何故か涙が出る。