イベント 「蓮實重彦とことん日本映画を語る VOL.18『日本の幽霊』―魑魅魍魎から遠く離れて―」
「蓮實重彦とことん日本映画を語る VOL.18『日本の幽霊』―魑魅魍魎から遠く離れて―」(東京ウイメンズプラザホール)
日本映画 vol.18 猫と狸
『日本の幽霊』
―魑魅魍魎から遠く離れて―ABC
2007/08/18
Jホラーと呼ばれる一連の作品―その一部は、監督自身によってハリウッドでのリメイクが行われている―はいかなる点で新しいのか、あるいは新しくないのか。一部に、CGによる魑魅魍魎の跋扈する作品がないでもないが、優れた作品の多くは、存在の可視、不可視のはざまに漂う「気配」の表象をつきつめているという監督たちの姿勢において、「日本の幽霊」の伝統の流れ―溝口の『雨月物語』、あるいは一連の『四谷怪談』における「手」―の中に位置づけられる。「化猫」モノ、「狸御殿」モノなどの特質―いずれも人間がそれを演じている―を再見したうえで、最近のホラーの特質を、その伝統との関係において見きわめてみたい。
I-1 久松静児『氷柱の美女』(1950)
I-2 田中徳三『化け猫御用だ』(1956)
I-3 大曽根辰彦『七変化狸御殿』(1954)
I-4 鈴木清順『オペレッタ狸御殿』(2003)
手、子供、母性 II-1 中田秀夫『仄暗い水の底から』(2002)
II-2 清水崇『呪怨』(2002)
II-3 中田秀夫『仄暗い水の底から』(2002)
II-4 中田秀夫『リング2』(20051999)
気配 III-1 是枝裕和『幻の光』(1995)
III-2 青山真治『Helpless』(1996)
III-3 黒沢清『降霊』(1999)
III-4 黒沢清『ドッペルゲンガー』(2003)
存在と非在のはざまで IV-1 黒沢清『大いなる幻影』(1998)
IV-2 是枝裕和『ワンダフルライフ』(1998)
IV-3 青山真治『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』(2006)
IV-4 黒沢清『叫』(2006)
Edward Yang 追悼 V-1 候孝賢『冬冬の夏休み』(1985)