『シナリオ創作論講義/いまおかしんじ(映画監督・シナリオ作家)・ いまおか流ピンク映画のつくりかた』

『シナリオ創作論講義/いまおかしんじ(映画監督・シナリオ作家)・ いまおか流ピンク映画のつくりかた』(シナリオ会館) 

彗星まち [DVD]

彗星まち [DVD]

 いまおか監督が講義に来るというので行く。夜の部は混みそうなので昼間に。
 初めに自分がどうやってデビューすることになったかを、つきあってた女性の勤務先まで明かして喋るのが、いまおか監督らしくて笑う。
 丁寧に、来ていた一人一人の名前と来歴を聞いていってから、自身のデビュー作『彗星まち』のシナリオ頭1/3ほどを抜粋したものを配布し、上映となる。シナリオはいまおか監督が使用していたホンをコピーしたものなので、書き込みも読めて、おおっ!と同じく来ていた、いまおか監督の熱狂的ファンの某嬢とほくそ笑む。
 ピンク映画の枠組みの中での発想として、身近な問題を具体としてフィクションに乗せていくと語るいまおか監督は、『彗星まち』について、DVDの特典でも語られていたが、幸徳秋水ネタからの発展について語っていたのが面白かった。
 せっかくなので、いまおか作品に特徴的に見られる、<食・歌・踊>といった要素について、自身でも脚本を書く場合は兎も角として、近年の他人の脚本で撮る場合は、指定したりするのかといった質問をしてみた。実際、『いくつになってもやりたい男と女』でビトさんが作った歌を酒場で歌うシーンは実に印象的だが、シナリオでは『北酒場』を歌うといった簡単なト書きのみで、完成した作品ほど印象深くなるとは思わなかった。
 いまおか監督によれば、食は無意識だったが、食べるという行為をひたすら取っている時に出てくる無防備さが良いとのことで、最近は意識して入れるようになってきたとのこと。歌舞音曲は、映画が一つ上の地点に上がるような跳ねるのを狙ってとのことだった。
 終了後、夜の部までの2時間半ほど、いまおか監督をこよなく愛する某嬢と共に、喫茶店から大戸屋へと引っ付いて行って話を聞く。三人しか居なかったので、ゆっくり話が聞けた。とはいえ、辛いことがあったら『デメキング』をいつも観返すという某嬢と、『妹・綾香』は松浦祐也さんが主演で嬉しかったと語る私に、更に二人共当然のように手帳に『まーイーカー』のステッカーを貼っているという奴らが話相手では、さぞ迷惑だったろうと思う。新作の『つちんこ』って、オモチャみたいなツチノコが噛みついたりするんですよね?と問えば、そんなことはない!と強く否定していたので、いまおか監督らしからぬ作品になるのだろうかとか色々想像する。