2008年自己総括
2008年ももうおしまいである。今年はブログも大して更新できなかった上に映画を観る本数も激減し、新作旧作合せても270本ほどしか観ておらず、短編もかなり含まれているからこの本数になっているとは言え、300本を大幅に割ってしまい、殊新作、更に洋画となれば数えるほどしか観ていないので、洋画のベストテン選考というのも無理である。せいぜい、3本か5本を挙げることができる程度だ。
来年は、もっと新作旧作共々活発に観たいなと思っている。とりあえず、年明けには1/17に新文芸坐でのオールナイト<「仁義なき戦い」大会>もあるし(前売り券の売り上げが好調らしいので行く予定の方は早めに購入を)、正月には大阪のPLANET Studyo Plus Oneで<60s-70s アメリカン・ニューシネマの光と影>と題して魅力的なラインナップも組まれている。来年こそは精力的に観たいものだ。
今年は『映画芸術』のベストテンを皮切りに『映画秘宝』にも何本か旧作を中心に書かせてもらい、松江哲明監督の『ハメ撮りの夜明けとセックスと嘘とビデオテープとウソ』のフライヤー、『SPOTTED701』『映画時代』といったミニコミ誌にも書かせて貰えて、幸福な年だった。年末には洋泉社から『市川崑大全』も発売され、最も好きな映画監督・市川崑について目一杯書かせてもらって、ひとつの区切りが付いたように思う。依頼いただいた方、読んでいただいた方、ありがとうございました。
そもそも、あれをやりたいこれをやりたいと野望が大きいわけでもなく、いつか映芸のベストテンと、市川崑と若松孝二と伊丹十三と松江哲明について書くような機会がちょっとあれば良いなと随分前に漠然と少し思ったことはあったぐらいのもので、なければ自分で何か作ろうかと思っていたぐらいなので、今年立て続けに映芸ベストテン、市川崑、若松孝二、松江哲明について、長く書く機会が貰えるとは思っていなかった。それだけに、来年はそんな良いことが続くわけもなく、生命の危険に晒されたり、糖尿になるとか、心臓に疾患が見つかるとか、首から下が麻痺して一生動けなくなるとか、たぶんちょっと辛い出来事に直面するに違いないと踏んでいるので、これで死んでもまあ良いやと思っておくことにする。
ということで、来年もよろしく。
最後に自己宣伝的にこの二冊を。
特集:死ぬな、殺すな! テロルの季節
- -
【インタビュー】
井土紀州(『ラザロ』監督)
「あらゆる場所で局地戦を展開せよ!」〜現代テロ映画『ラザロ』の監督による"希望"のアジテーション。(取材・港岳彦、佐藤洋笑)永野絵理世(『三菱重工爆破事件〜あれから(仮)』制作中)
東アジア反日武装戦線"狼"が74年に起こした三菱重工爆破事件。その被害者を父に持つ永野監督が見つめるテロの加害者/被害者の埋めきれない溝。(取材・港岳彦)
【論考】
映画×テロ(港岳彦)
破壊! 破壊! 破壊! 反体制娯楽映画列伝(佐藤洋笑)
「日常の破壊」という名の幻想〜押井守とテロリズム(西村大樹)
==作品レビュー「90年代以降のテロ映画」==
『過激本番ショー 異常者たちの夜』(オギミユキ)
『マークスの山』(港岳彦)
『痴漢電車 感じるイボイボ』(鈴木由理子)
『腹腹時計』(モルモット吉田)
『凶気の桜』(仙道勇人)
『紀子の食卓』(安倍まりあ)
『相棒 劇場版』(安倍まりあ)
『ナショナル・アンセム』(わたなべりんたろう)
- -
【連載】
柏原寛司の日本のハードボイルドを訪ねて――検証・日本テレビ火曜9時――
映画が茶の間に殴りこみ、そして占拠した、あの時代。『大都会』、『探偵物語』など、今も語り継がれる名作アクション・ドラマが放たれた"日本テレビ火曜9時枠"を、ホスト:柏原寛司(脚本家/映画監督)と、番組ゆかりのゲストが述懐する豪華対談。
★第一回ゲスト:山口剛(『大都会』シリーズ、『大追跡』、『探偵物語』、『大激闘』などのプロデューサー)。
- -
イベント報告『アニメーション・ポルカ 〜踊りだす空想世界〜』
- -
●執筆者:モルモット吉田 わたなべりんたろう 西村大樹 安倍まりあ 鈴木由理子 オギミユキ 佐藤洋笑 港岳彦
●表紙:永野絵理世
●写真:pedro cho
●撮影場所:三菱ビルヂング前
●イラスト:杉山陽太
●ブックデザイン:岸田文香
●印刷:POPLS
●発売日:2008.9.1
●仕様:A5判 並製 52ページ
●価格:定価 500円(税込)
●製作・販売:活檄プロダクション(佐藤洋笑 港岳彦)
市川崑大全 KON ICHIKAWA1915-2008
- 作者: 映画秘宝編集部・編
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2008/12/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
【グラビア】
【市川崑ヒストリー】【市川崑のミステリ映画】
久里子亭の仕事 (磯田勉)
東宝金田一シリーズクロニクル (山田誠二)
石坂浩二インタビュー (取材・轟夕起夫/構成・「映画秘宝」編集部)
新旧『犬神家の一族』比較研究 (モルモット吉田)
<事件ファイル・1>犬神家の一族 (馬飼野元宏)
<事件ファイル・2>悪魔の手毬唄 (馬飼野元宏)
<事件ファイル・3>獄門島 (馬飼野元宏)
<事件ファイル・4>女王蜂 (馬飼野元宏)
<事件ファイル・5>病院坂の首縊りの家 (馬飼野元宏)
<事件ファイル・6>八つ墓村 (馬飼野元宏)
『幸福』〜エド・マクベインの傑作ミステリ (モルモット吉田)
【モダニスト・市川崑】
大胆に実験を繰り返した前衛作家 (尾崎一男)
初期実験作横断 (真魚八重子)
『黒い十人の女』〜クールな傑作 (ミルクマン斉藤)
モダニスト・市川崑の真髄 (ミルクマン斉藤)
小西康陽インタビュー (轟夕起夫)
幻のデビュー作『新説カチカチ山』『娘道成寺』 (尾崎一男)
市川崑のSF映画『竹取物語』 (石上三登志・談/聞き手・「映画秘宝」編集部)
実写とアニメの壮大な融合〜『火の鳥』 (神武団四郎)
文芸と実験〜吾輩は猫である (モルモット吉田)
2000年の人形劇〜『新選組』 (神武団四郎)
油断禁物 珍作クロニクル 「早過ぎた暴走作」(モルモット吉田)/「愛すべき失敗作」(真魚八重子)
金田一シリーズ最大の謎、回想の娘時代 (真魚八重子)
市川崑のセルフリメイク作品たち (モルモット吉田)
『鹿鳴館』とバブル時代の市川崑映画 (杉森哲郎)
【市川崑の時代劇】
モダンと伝統のはざまで―崑流時代劇のつくりかた (磯田勉)
木枯し紋次郎の誕生 (山田誠二)
中村敦夫インタビュー (取材・文/加藤義彦)
股旅〜青春映画としての時代劇 (磯田勉)
『どら平太』と「四騎の会」 (磯田勉)
【市川崑の文芸映画】
市川崑はいかに文学を改変するか (轟夕起夫)
和田夏十の仕事 (轟夕起夫)
岩井俊二が語る、幻の『本陣殺人事件』 (取材・文/尾崎一男、馬飼野元宏)
市川崑・幻の企画たち (モルモット吉田)
市川崑と吉永小百合 (佐藤利明)
『細雪』の秘密 (馬飼野元宏)
プロデューサー藤井浩明が見た市川崑 (取材・文/轟夕起夫、馬飼野元宏)
『ビルマの竪琴』『野火』―市川崑の戦争映画 (大久保義信)
市川崑の男優たち〜外しの美学 (真魚八重子)
【市川崑のドキュメンタリー】
芸術にも記録にも与することなく。ドキュメンタリスト、市川崑の肖像 (磯田勉)
フィクションとしての『東京オリンピック』 (モルモット吉田)
『太平洋ひとりぼっち』〜孤独と疎外の物語〜 (森遊机)
【市川崑の映像技法】
市川崑の映像テクニック一覧 (尾崎一男、モルモット吉田、「映画秘宝」編集部)
長田千鶴子に聞く、市川崑映画・編集の秘密 (聞き手・尾崎一男、馬飼野元宏/構成・映画秘宝編集部)
手塚昌明に聞く、間近で見た市川崑 (取材・尾崎一男/構成・映画秘宝編集部〉
市川崑スタッフ名鑑 (磯田勉)
市川崑映画の音楽世界 (鈴木啓之)
Kon Respect〜市川崑の影響が観てとれる作品群 (神武団四郎)
市川崑のテレビドラマ (加藤義彦)
幻の市川崑ドラマと脚本家「久里子亭」秘史 (小山正)
市川崑のCMたち (森遊机)
こんな仕事も市川崑印 (モルモット吉田)
愛と孤独とさすらいの作家 (森遊机)
【市川崑全作品紹介】
(磯田勉、轟夕起夫、真魚八重子、ミルクマン斉藤、モルモット吉田)