『暗黒街の弾痕』

(11)『暗黒街の弾痕』

 新宿TSUTAYAの中古ビデオのワゴンにリュミエールシネマテークから出ていたフリッツ・ラングの『暗黒街の弾痕』があるのを見つけ、半額になると言うので450円で購入。レジに差し出した時から脳裏に浮かんで離れ難い思いがあった。これ、持ってんじゃないのか?と。いやいやリュミエールシネマテークで持っているのは中古ビデオで『奥様は魔女』とLDで『海外特派員』だけのハズ、と必死で思いこむようにしていたが、どうにも怪しい。まあ、そのうち紀伊國屋から高いので出るかも知れないので、と思うようにする。
 ちなみに原題の“You Only Live Once”は淀川長治が宣伝部在籍時代に原題をうまく訳して『わが命ある限り』とつけようとしたが、営業部が反対して勝手につけてしまったのが『暗黒街の弾痕』。そんなエピソードを中1の時に覚えていたので、後で『OO7は二度死ぬ』を初めて観た際に原題が“You Only Live Twice”となっていたのでパロディかしら?と直ぐに気付けた。そして、『あんにょん由美香』の中で中野貴雄監督が『OO7は二度死ぬ』の“You Only Live Twice”を取り上げてその意味を林由美香に即した解釈を披露し、“林由美香は二度死ぬ”と言うのが印象に残っている。だから、『暗黒街の弾痕』と聞けば、『OO7は二度死ぬ』から淀川長治を経て林由美香まで一本でイメージが繋がってしまう。

暗黒街の弾痕(トールケース仕様) [DVD]

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