『網走番外地』(☆☆☆★★★)
横尾忠則 編「憂魂、高倉健」刊行記念 孤高のスタア 高倉健
(109)『網走番外地』
☆☆☆★★★ 新文芸坐
監督/石井輝男 脚本/石井輝男 出演/高倉健 南原宏治 丹波哲郎 嵐寛寿郎
1965年 日本 モノクロ 92分
久々に1作目を観たが、やはり良い。冬の網走の荒涼とした風景にはモノクロがよく合う。高倉健の立ち姿の美しさ、弱々しかったアラカンがすくっと睨みを利かせるシーンの高揚など、惚れ惚れと画面を眺める。クライマックスの雪原を走るトロッコ列車のチェイスに興奮させられる。゛手錠のままの脱獄”をすることになる南原宏治と健さんが夜に暖を取るために体を寄せ合っている内に南原宏治が健さんにキスするあたりのノリや、夜中に健さんが外で脱糞するくだりなど、石井輝男らしさの片鱗を見せるが、やはり石井輝男が本質的に如何に優れた演技を引き出し、際立たせる手法を身につけた職人監督であるかを感じ入る。勿論そうでなければ東映で外様でありながらあれだけの本数を撮れはしないのだろうが、このシリーズは系統だてて観ていないので殊に後半は観ていない作品も幾つかあるので、良い機会だから全作観ようかとも思う。
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2002/07/21
- メディア: DVD
- クリック: 31回
- この商品を含むブログ (55件) を見る