雑誌

1)「キネマ旬報 5月下旬号」

 山根貞男が「鉄西区」がDVで撮影されたことを元にDVで撮影される映画について書いているが、今更の感。「花とアリス」をDV撮影と書いたりHD24pカメラと混同している。パンフレットを買ったが特定できなかったとあり、何で撮っているかが重要ではなく…と、以下ショットが存在していないという批判で誤魔化しているが、「花とアリス」が何で撮られているかは「映画撮影」なり「DVジャパン」といった一般書店で入手できる専門誌でも十分確認可能であるし、キットカットを買えば付録のDVDに撮影風景が収められているので、カメラが35mmか16mmかCine AltaかあるいはDVか確認するのは容易であり、それを怠ってDVと書き、その間違いの上で批判を始めても説得力がない。どうも映画批評家は中途半端な技術知識を入れがちで、別にプロ並の勉強をしろと言う気はないが、「映画撮影」等を読んだ程度の知識で十分技術批評をカバーできると思うのだが。今でもたまに見かける、AVIDで編集しているから、カットが短いとか知らないなら言わなきゃ良いのにと思う。
 重政隆文の様に頑迷な映画館主義者(それ自体は正しい。但し上映する機会のない作品は観られないという問題が残る)は、同時に頑迷なフィルム至上主義者で、フィルムで撮られていないとなると途端に貶し始める。確かに初期の酷いキネコならば納得できるが最近のフィルムレコーディング技術ではフィルム撮りかビデオか判別がつかない。更にCine Altaやバリカム等の24pカメラの開発が進みフィルムに匹敵するフィルム発色のビデオが主流になりつつある。その場合、こーゆー人はどういう批評態度を取るのか。「リリィシュシュのすべて」をビデオだから駄目だ、と喝破していたが今後どうするつもりなのか。誉めてたのに後で24Pで撮影されていると知って前言撤回したりするのかな、とか。

2)「ダヴィンチ 6月号」