映画の噂

 「宇宙戦艦ヤマト」復活だそうだが、これはまあ、以前から石原慎太郎に原作書かせたり、笠原和夫に脚本書かせたり、あるいは10年ほど後にはシド・ミードにデザインさせたり、待望の声もないのに画策して頓挫させる方がいらっしゃったのだが、驚いたのはプロデューサーが仙頭武則であるということ。「サイゾー」の新刊にも登場して自虐的なコメントを出しておられているが、こんなものに手を出すとは、かなり末期的且つ危険ではないのか。基本的に自分は角川春樹にしろ奥山和由にしろ仙頭にしろ、映画を量産するプロデューサーは良いと思う。彼等の御蔭で才を伸ばした監督は数多く、彼等がいなければ現在の日本映画があったかどうか。仙頭の作る映画は「ユリイカ」と「火垂」を除いて自分には全く面白くなかったが、作家性を尊重し、自由に作らせ、それを量産するということが、どれだけ重要な試みだったか。興行的に全てが不発だったことが、現在の仙頭の凋落を物語っているが、何とか復活してほしい。