書籍

1)「大島渚1968」大島渚(青土社) 

大島渚1968
 発売が来月末と思い込んでいたので、書店で見かけて慌てて購入。1995年から断続的にインタビューして、「大島渚1960」同様の作りにはなっているが、一見したところ、後半に小山明子佐藤慶佐々木守のインタビューを入れて補完してあるところを見ても、大島の病状が思わしくなく、嘗ての様なインタビューで纏めることはできなかったのではないこという不安が。実際中身を読まないと判らないが、こういう時、「噂の真相」の休刊が惜しまれる。あのスキャンダル誌の出自バラシとか、ターゲットの周辺に居る素人も公人に含まれるとする姿勢は嫌いだが、と言いつつ所謂一般誌が全く興味を持たない映画人、文化人の記事はそれなりに個人的に興味はあったので、「噂の真相」があれば大島渚の現況を詳しく知ることができたかもしれないと。
 

2)「吉田喜重の全体像」四方田犬彦 [編](作品社) 

吉田喜重の全体像
 奇しくも松竹ヌーヴェルヴァーグの二人の本が揃い踏みした形になったが、今や新作を期待できる唯一のヒトになってしまった吉田喜重を論じた本は、「ユリイカ」の特集ぐらいしかなかったので、こちらも必要性に駆られて購入。9月の全作上映に併せて読んでいきたい。