映画 「アイ,ロボット」
1)「アイ,ロボット」〔I,ROBOT〕 (シネマサンシャイン) ☆☆☆★★
2004年 アメリカ 20世紀フォックス カラー シネマスコープ 115分
監督/アレックス・プロヤス 出演/ウィル・スミス ブリジット・モイナハン ブルース・グリーンウッド・ジェームズ・クロムウェル チー・マクブライド
アイザック・アシモフの「われはロボット」をモチーフにしているだけに、古典的ロボットの定義を現在のCG技術で映像化するという試みは良い。本来ならば「AI」の様な変化球よりも先に本作の様な作品が作られるべきなのだが。
この作品の魅力はB級な演出が全編に施されていることで、クライマックスとなるUSロボティックスビルでのロボットとの闘いなど、どこにカメラを配置するかもおぼつかずに撮ってしまっているような勢いがあり、このB級なニオイは、かなり悪くない。
勿論、ウィル・スミスが相変わらずやり過ぎているとか、CGがショボイとか(殊にトンネル内での格闘シーンは酷い)、何よりヒロインの造形が全くできていないという最大の欠点を持ちつつ、オーソドックスなロボットの反乱劇として、魅力がある。
この世界観を描けるなら各所にもう少し繊細な演出があれば、相当な作品になったのにと惜しまれる。(スミスが高所恐怖症であることの伏線が全く張られておらず、それなら開巻の2階から飛び降りての追跡劇は何だったのか)。
とは言え、一夕のエンターテインメントとしては申し分なく、楽しむ事が出来た。