8マン すべての寂しい夜のために

日本映画専門チャンネル6月速報


 岩井俊二の特集は2年前にもやっているので、最近リピート企画が多い日本映画専門チャンネルではあるが、まあ前回はD-VHSとDVで録画したので、今回はDVDで録画しようかと。とりあえず全て観るべき。
 「if もしも 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は日本映画史上に残る大傑作なので、絶対観るべき。因みにこの作品は3ヴァージョンあり、1st ver.が「if もしも」の枠で放送されたもので、アタマとケツに森田一義が喋り、エンドロールがデフォルトで使用しているものになっている。本放送と「Love Letter」公開時の特番「岩井美学」でしか放送されていないように思う。2ed ver.は劇場公開された版で、タイトルからifが取れ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」になっており、タイトル部分も差換わり、森田の前説後説がカットされ、幾つかのシークェンスが増えたもになっており、前回日本映画専門チャンネルで放送された版や、ビデオ、LDになっているのはコレである。3rd ver.はDVDになっているもので、更に幾つかのシーンが増えているが、これは無駄な画が増えていてあまり感心しない。
 ソフト化されていないDRAMA DAS関連は見逃してはならない。殊に「夏至物語」は秀作で、学生の頃、前述の「岩井美学」で再放送されたきりソフト化されないので、自主映画を作る上で参考にしたと借りに来る奴が多かったことを思い出す。確かにお手本的巧さ溢れる作品、前回の特集時に久々に見直していて遅まきながら気付いて驚いたのが、向かいに住む男を、くりぃむしちゅうの上田が演じていたことで、何度も見返していたのに気付かなかった。
 岡本喜八成瀬巳喜男も全て観るべき。
 注目は「8マン すべての寂しい夜のために」が放送されることで、伝説の東京ドーム上映のあの作品が蘇るわけである。長らく観たかったので嬉しい。しかし、今年も続くアニメ・漫画実写化の傾向は、先人の失敗を何も学んでいない。