映画(TV/VIDEO/LD/DVD)「text:庵野秀明 『エヴァンゲリオン』そして『ラブ&ポップ』」「ドキュメント ラヴ&ポップ 0部『ラストシーン』」「最終章『悪い夏』」「プロモーションビデオ『S# 208』」

23)「text:庵野秀明 『エヴァンゲリオン』そして『ラブ&ポップ」 (DVD) ☆☆☆★ 

1998年 日本 カラー スタンダード 20分  
編集・構成/カンパニー松尾 バクシーシ山下    出演/庵野秀明
ラブ&ポップ SR版 [DVD]

 「セルフドキュメンタリーの逆襲」2日目には、かなり行きたかったが、若松孝二の未ソフト化レア作品「現代性犯罪暗黒編 ある通り魔の告白」と時間が被っているので、仕方なく諦める。上映作品中「カレーライスの女たち」と「text:庵野秀明 『エヴァンゲリオン』そして『ラブ&ポップ』」は既に観ているということも理由の一つだったが。井口昇の「わびしゃび」もDVD化されているので。などと言い訳してみても、満員の観客と共に、スクリーンでこれらの作品を観たかったという思いは捨て難く、仕方なく「ラブ&ポップ」のDVDを引っ張り出してきて再見することにする。修学旅行に病気で行けなかった同級生が、両親と夏休みに同じコース、同じ旅館に泊まって追体験してみました、みたいなものか。
 「ラヴ&ポップ」という作品は、作品単体として観た場合は欠点も多いが、「新宿泥棒日記」が1968年秋の新宿を切り取ってフィルムに定着させたのと同様に、1997年夏の渋谷をDVで切り取った、90年代を代表する作品である。実際、この作品にはかなり入れ込み、劇場へは2回行って計4回観て、ビデオもレンタル版とセル版を購入し(ジャケットデザインが違う)、その後、LD、DVDも初回発売版、SR版と購入した。因みに初回発売版のDVD以外は全てDVの画質がそのままソフト化されているが、初回発売版は劇場公開時と同じくキネコされたフィルムをテレシネしている。自分としては、「ラヴ&ポップ」という作品は、あの汚いキネコの画質も作品を成立させる上での重要な表現だと思っている(仲間由紀恵が水着に試着室で着替え、カーテンをサッと開けるシーンで、DV版だと茶系の水着と肌の色は明らかに異なっているので何でもないが、キネコ版だと階調が潰れて肌と水着の色が同じに見え、劇場で一瞬驚いた感覚を蘇らせることが可能だ)ので、もっぱら再見する際は、このキネコテレシネ版なのだが。
 ビデオ、LD、DVDで同じ作品を一通り購入した作品と言うと、「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「犬神家の一族」「八つ墓村」くらいのものだ。
本作は、1998年頭だったと思うが、WOWOW春エヴァが放送された際に一緒に流されたもので、友人に録画して貰って観た記憶がある。その後、一昨年の「ラブ&ポップ SR版」のDVDに収録されたので、その際にも2回程観たから、通算これで4回目ぐらいか。
 印象は変わらない。庵野秀明がテレクラの女性と交わす会話に主眼を置いた作りで、庵野のリアクションなどが確かに面白いが、主要なパートを占める女性が仕込み臭さ満点で、乗れない。強引にエヴァの話に持って行って、春エヴァの際の庵野の心境を聞くあたりも作為が目立つ。
 カンパニー松尾バクシーシ山下という最強コンビの作品なので、流石に画の切り取り方や、ラストの渋谷モアイ像の前で待つ庵野の捉え方などは素晴らしいが、肝心のテレクラでの会話がもう少し、生っぽかったら良かったのだが。

 

24)「ドキュメント ラヴ&ポップ 0部『ラストシーン』」(DVD) ☆☆☆ 

1998年 日本 カラー スタンダード 分  
編集・構成/カンパニー松尾 バクシーシ山下    声の出演/スチャラカ宮下
ラブ&ポップ 特別版 [DVD]

25)「最終章『悪い夏』」(DVD) ☆☆☆★★★ 

2000年 日本 カラー スタンダード 分  
編集・構成/カンパニー松尾 バクシーシ山下    声の出演/鳥肌実

26)「プロモーションビデオ『S# 208』」(DVD) ☆☆☆★ 

2003年 日本 カラー スタンダード 分  
編集・構成/カンパニー松尾 バクシーシ山下