今村昌平レア作品上映 「今村昌平の世界」(川崎市市民ミュージアム)9/10〜10/2

 今村昌平全作上映だが、チャンネルNECOで放送された「からゆきさん」や「未帰還兵を追って」などもDVD化されてしまったのでレア・イマヘイ作品は皆無かと思いきや、「にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活」がソフト化されないのが不満だったが、今回上映されるのでようやく観ることができる。更に横浜放送映画専門学院(現日本映画学校)の第一回実習作品の我妻正義が監督した「あほう」と、第三期研究科の実習作品である今村昌平が監督した「凍りついた炎」も上映される。
 「あほう」は、以前「赤い橋の下のぬるい水」の批評を「映画芸術」に我妻正義が書いていたが、その際に学生の頃に撮った実習のハナシを書いていたのが多分コレ。イマヘイも指導監督として現場に立ち会った由。我妻の彼女を主演に使ったら、カラミのシーンでイマヘイが男優に挿入を命じて、自分の彼女がやられる様を眼前に見せられて我妻が泣いたというやつだ。それだけに観たかった。因みに編集は、同じく当時学生だった掛須秀一。
 「凍りついた炎」は、クレジットで見る限り、完全なる今村昌平監督作品。プロットが、『理髪店を営む夫婦の重之とミネ子。外泊を繰り返す夫には妻の知らない秘密があった。』とあるが、逆「うなぎ」みたいな感も。1980年製作だが、後期今村作品の原点があるかもしれない。
 最近、映像系専門学校が増えて、かなりの数の監督が講師として参加しているが、その際に製作される短篇・中篇等も視野に入れなければならない。山下敦弘がENBUで監督した「不祥の人」など観たいと思う。 
 それにしても、今村昌平の「新宿桜幻想」は無理なのだろうか。どうしても観たい作品なのだが。