古本 「映画の学校」「大島渚作品集」「映画評論」

33)「映画の学校」双葉十三郎晶文社
34)「絞死刑 大島渚作品集」大島渚至誠堂
35)「映画評論 1960.10」(映画出版社)

 33)双葉十三郎の代表的著書だが、長らく絶版になったままなので古書店でしか目にすることがない。しかし汚れがキツイものが多いのでこれまで見送っていたが2000円で全く汚れの無い美品であったので購入。
 34)大島の脚本集は「日本の夜と霧 大島渚作品集<増補版>」を持っているが、あれは「愛と希望の街」「青春残酷物語」「太陽の墓場」「日本の夜と霧」「深海魚群」「青春の深き淵より」「叫び」「忘れられた皇軍」「ユンボギの日記」といった初期作が収録されていたが、今回は「日本春歌考」「無理心中 日本の夏」「絞死刑」が収録されている。「日本春歌考」なんて脚本なしのハコ書き程度のものでインしているのだから読めばわかる通り完成台本だ。一時期BGV的にまで何度も繰り返し観た傑作「日本春歌考」に比べて、「無理心中 日本の夏」は一度劇場で観てつまらなかったので以降再見していない。「絞死刑」は大島のベスト作品だが、本作の脚本は「世界の映画作家6 大島渚編」にも収載されているので目新しさはないが、やはり素晴らしい脚本だ。この書で注目すべきは、脚本よりも夫々の作品の撮影前にスタッフに向けて書かれた製作意図とも言うべき一文が収められていることで、大島のアジがやはり素晴らしく高揚させる。2500円。
 35)『新鋭シナリオ特集」と題して「日本の夜と霧」、吉田喜重の「血は乾いている」、今村昌平の「赤い殺意」等収録。400円。