映画 「アイランド」
153)「アイランド[THE ISLAND]」(Tジョイ大泉) ☆☆☆
2005年 アメリカ WB カラー シネスコ 136分
監督/マイケル・ベイ 脚本/カスピアン・トレッドウィル=オーウェン アレックス・カーツマン=カウンター ロベルト・オルチ 出演/ユアン・マクレガー スカーレット・ヨハンソン ショーン・ビーン ジャイモン・フンスー スティーブ・ブシェミ
開巻から施設を脱出するまでがまるでムダで、半分以下の尺で良い。これは全体を通しても言えることで、長すぎる。2時間半はあったと思っていたが、実際は136分と意外と短かったが、それでも100分で十分収まるハナシで、後半再び施設に向かうのが蛇足に思える演出になってしまっている。
ネタバレになるが、クローンを施設に隔離して生成させていたというのは面白く、教育も15歳迄、性の知識も与えていないという非常に面白くなりうる設定が、ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンが外界に出ることで直面する全く知らない世界とのギャップという最も面白くなりうる要素が、表面的にしか扱われておらず直ぐに馴染んでしまうのはつまらない。
ま、施設のカラクリをスティーブ・ブシェミに語らせてしまうのは実に好感が持てるのだが。
ロスでの派手なやりすぎのカーチェイスは、お腹いっぱいになるくらいで笑ってみていたが、相変わらずマイケル・ベイは、アクションの見せ方が下手で、短いカットで繋ぐのは別に良いのだがその中で具体的なアクションを1カットずつ見せていって繋がなければいけないのに、やはり目くらまし的な繋ぎになってしまって、主人公が現在どこにいるか、どういう状況にあり、何が起こり、敵との距離がどれくらいあり、といったものが不明になってしまう。これはクライマックスでのショーン・ビーンとの対決にしても肝心の箇所が、どちらがどうなったかがわからない。
B級的な作りの嫌いなハナシではないだけに、これが90分から100分ぐらいで収まっていればもう少し楽しめたのだが。
尚、観た劇場ではDLPだったのだが、所謂DLPと言ったところで、ミニシアターに置いてある民生機は別にしてメジャー系劇場の業務用DLPでは「スターウォーズ エピソード2」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」ぐらいしか観ていない。その気になれば、他の作品でもDLPで観る機会はあったのだが意図的に避けてきた。と言うのも、35で撮っているものを態々DLPで観る必要はないからで、デジタルアニメなり、24Pで撮っていればDLPで観ると。今回はDLPでしかやっていなかったから仕方なくそうしたが、水や白が多い作品なので、観ていて辛かった。